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12月に見たもの(2024.12 歌舞伎座 新橋演舞場)

今月、タブロイドの記事で、演舞場VS歌舞伎座は朧圧勝的な見出しを見ました。 ぇぇ?ってなって本文を読むと、実はそうは書いてなくて「21世紀になっての歌舞伎の新作のなかでは、最も成功している。」と書いてあります。 これはタイトルの付け方がよくないな。本文に21世紀と書いてある意図は「あらしのよるに」とは勝負するけど「天守物語」とはそもそも勝負しないということじゃないかな。 21世紀になっての歌舞伎の新作の母集団はなかなか沢山あって、2001年からなので(ちなみに歌舞伎じゃない新感線のアテルイが2002年)、十……

11月に見たもの (2024.11 ようこそ歌舞伎座へ、など)

こんなに歌舞伎役者を撮った月はこれまでにないです 令和6年度公文協主催 松竹大歌舞伎 錦之助・隼人親子での巡業 解説パートは隼人。見た日は隼人くんの恩師が最前列にいらして隼人くんがマイクを向けてました。で、フォトセッションあり。 演目は引窓と身代座禅 引窓は与兵衛を隼人、濡髪を錦之助で。母お幸は吉弥。妻お早は笑三郎。 隼人は実際に若いので無理に浮き浮きした若さを作る必要はないんじゃないかなと思いました。笑三郎との釣り合いもあるしね。 身代わり座禅は奥方が錦之助、右京が隼人、太郎冠者が青虎 さぞ二人で遊び歩い……

錦秋十月大歌舞伎(2024.10 歌舞伎座)

あっちゅーまに1か月過ぎてしまって師走ですが10月の話です 錦秋十月大歌舞伎 昼 昼は、團の出ない團菊祭みたいな感じ 俊寛 こちらを秀山祭でやった方が良かったんではと思ったり。 だって9月もほぼ同じ面子いたし。(もしかして10月の稽古のためかな?) 菊之助初役で俊寛。白髪混じりだけれど若い俊寛だった。最近はひと回り上の世代が早くに世を去ってしまったために、本来ならばこのくらいの歳なんだよねという配役で芝居を観ることがたびたびあり、いつもの見方に随分先入観があったと気づかされる。 枯れていない俊寛。菊之助には……

9月に観たもの… 浪花の夏と困った人々(2024.9 歌舞伎座、新国立劇場 ほか)

全く涼しくならない毎日35度超えの9月 困ったお主様とか困った身内とかで溢れる月でした なにわ率高い バサラオ (劇団☆新感線) 新国立劇場 中劇場 夏祭浪花鑑 研の會 歌舞伎座 秀山祭九月大歌舞伎 夫婦パラダイス (シス・カンパニー) 十三代目 市川團十郎白猿襲名披露巡業 中井智弥 リサイタル ※以下敬称あったりなかったりごめんください バサラオ (劇団☆新感線 (明治座)) ヒュウガ/生田斗真、カイリ/中村倫也、ゴノミカド/古田新太 ヒュウガというと思い出すのは光秀なのですが このヒュウガは既存のすべて……

彦三郎 いまの団七 (2024.9 新国立劇場中劇場)

新国立劇場中劇場 夏祭浪花鑑 今年の国立劇場(ただし出張)の6月の鑑賞教室は上方の狂言だった。 封印切。上方の役者に混じって、彦三郎が槌屋治右衛門で出ていた この人だけ江戸から来たようだった 昨年菊之助の髪結新三では弥太五郎源七。 そういう一目置かれる男の役をやるようになってきたのだけど微妙におさまりの悪さがあった。何が違うのかわからないけど違う。 彦三郎が団七との知らせがあった時、それらが頭をよぎった。 しかし開けてみたら、彦三郎は団七をそういう貫目の重い男ではなく、距離の近い”彦三郎の団七&……

玉手、玉手…玉環

2024.9 研の會と歌舞伎座、同じ時期に音羽屋の摂州合邦辻がかかる 玉手二連発はこってり過ぎてもたれそうと思ってたのですが…なんか思ってたのと違う そんな長月 右近の玉手 堅めの仕草と不自然な大きな声 ああいう行動様式のケースを知っている 常識は通じない 見えない天命に従い 会えると信じてあらぬ所をさまよい 梃子でも動かない 阻止すれば手向かう そのときのその人の世界の中ではそれが真実で正義なのだ 右近の玉手はその頑なな風情を思い出させた ひとは、つくり阿呆じゃないけれど、つくり横恋慕?的なことをしようと……

忙しい人のための入門月間?…7月にみたもの(2024.7 歌舞伎座、鑑賞教室、特別歌舞伎巡業)

7月 俄獅子の評判を聞き、今度は松竹座に行きたいよぅーとなっている7月 入門的な公演が2本 まず、松竹特別歌舞伎なる巡業。 以前の東西中央コースの名前がなくなって今年は今発表されている限り、夏に松竹特別歌舞伎(たぶん、お得なパック的な奴)、秋に松竹大歌舞伎、ほかに團十郎襲名の巡業(まだ巡り切ってなかった)、勘三郎追善の巡業がある。 以前は先に公文協のサイトでコースが出てたのに、なかなか情報が出ず、発表になった会場から順次知り、歌舞伎美人のページでの発表は後からなので、発売情報を逃さないかとやきもきする。 私……

6月に見たもの(2024.6 萬屋襲名、鑑賞教室)

2024年6月 博多座にも行きたいよぅーと思いながら、萬屋襲名の月 ホームを失った国立劇場歌舞伎鑑賞教室の6月は、サンパール荒川で封印切。 封印切の衣装展示がちょこっとあり。 国立劇場鑑賞教室独特の小さい正方形の変形パンフからA4に。 (メモ 公文協の巡業東西コースに代わる松竹特別歌舞伎もA4パンフ。) 一方で、「歌舞伎その美と歴史」という河竹登志夫著の小冊子は、全く変わらないように見えて、年表にそこだけくっきりした文字で「2023 初代国立劇場閉場」と足されている。今年版が刷られたということですよ。それは……

五月團菊祭など (2025.5)

5月に見たもの。曽我ものであったり、左團次ゆかりのものであったりがクロスで上演されてるのは面白い。 團菊祭五月大歌舞伎 歌舞伎座 事前取材で團十郎が、みなさんが思ってるほど仲悪くないとの言。子どもの頃いつも連れ立っていたという新之助菊之助のイメージがあり、そんなに仲が悪くなるとも思えないが、團菊で組むべき演目が昼夜にあるのは久しぶりではないか。 新之助や松也の今月向けの取材への答えに、こどもの頃から加わってきた團菊祭を大切に思う気持ちが滲み出ていたのがうれしい。 【昼】 鴛鴦襖恋睦 おしどり 曽我の世界なの……

4月にみたもの X(Twitter)から (2024.4)

4月は歌舞伎座昼夜と、シネマとうかぶを見ました。 引窓は梅玉と松緑が案外釣り合うのを発見。夏祭浪花鑑で強烈に思い出されるのは最後の最後に祭の掛け声を掠れ声で発しながら喧騒に紛れ花道を駆けていく愛之助。随一と思いながら、周りに上方の役者がもう少しいたら更に…と欲が出てしまう。 七福神は恵比寿様がハッピー。大黒様は乗り気でなさそうに見えた。 いつもの歌舞伎ならなら背景は動かないが、今回全員常に動いているので、よく言えば目が足りないという所だろうが、気が散るともいう。でも割り振ったら1人3分くらいになっちゃうし、……