Category: 歌舞伎

玉手、玉手…玉環

2024.9 研の會と歌舞伎座、同じ時期に音羽屋の摂州合邦辻がかかる 玉手二連発はこってり過ぎてもたれそうと思ってたのですが…なんか思ってたのと違う そんな長月 右近の玉手 堅めの仕草と不自然な大きな声 ああいう行動様式のケースを知っている 常識は通じない 見えない天命に従い 会えると信じてあらぬ所をさまよい 梃子でも動かない 阻止すれば手向かう そのときのその人の世界の中ではそれが真実で正義なのだ 右近の玉手はその頑なな風情を思い出させた ひとは、つくり阿呆じゃないけれど、つくり横恋慕?的なことをしようと……

葉も見ずに鵜飼いゆうれい初鰹 こざかな角兵衛花子燦星(2024.8)

2024年8月に見たもの・聴いたもの 歌舞伎座 八月納涼歌舞伎 昭和大学リカレントカレッジ特別企画 歌舞伎と長唄 第30回 稚魚の会・歌舞伎会合同公演 逸青会 十五周年記念 流白浪燦星(ルパン三世)-空をかける星の奏べ- 歌舞伎座 八月納涼歌舞伎 Twitter(X)から 「先日納涼見てまいりました 朝幽霊出てきて般若心経 夜幽霊否定して般若心経 間に初鰹…でしたよ 鰹売の声は家によって違うんかな 出向いて観るなら朝 いまテレビでやってくれるなら昼のがいいな 出来で言うと髪結新三なんだけど、 この暑さを差し……

忙しい人のための入門月間?…7月にみたもの(2024.7 歌舞伎座、鑑賞教室、特別歌舞伎巡業)

7月 俄獅子の評判を聞き、今度は松竹座に行きたいよぅーとなっている7月 入門的な公演が2本 まず、松竹特別歌舞伎なる巡業。 以前の東西中央コースの名前がなくなって今年は今発表されている限り、夏に松竹特別歌舞伎(たぶん、お得なパック的な奴)、秋に松竹大歌舞伎、ほかに團十郎襲名の巡業(まだ巡り切ってなかった)、勘三郎追善の巡業がある。 以前は先に公文協のサイトでコースが出てたのに、なかなか情報が出ず、発表になった会場から順次知り、歌舞伎美人のページでの発表は後からなので、発売情報を逃さないかとやきもきする。 私……

6月に見たもの(2024.6 萬屋襲名、鑑賞教室)

2024年6月 博多座にも行きたいよぅーと思いながら、萬屋襲名の月 ホームを失った国立劇場歌舞伎鑑賞教室の6月は、サンパール荒川で封印切。 封印切の衣装展示がちょこっとあり。 国立劇場鑑賞教室独特の小さい正方形の変形パンフからA4に。 (メモ 公文協の巡業東西コースに代わる松竹特別歌舞伎もA4パンフ。) 一方で、「歌舞伎その美と歴史」という河竹登志夫著の小冊子は、全く変わらないように見えて、年表にそこだけくっきりした文字で「2023 初代国立劇場閉場」と足されている。今年版が刷られたということですよ。それは……

五月團菊祭など (2025.5)

5月に見たもの。曽我ものであったり、左團次ゆかりのものであったりがクロスで上演されてるのは面白い。 團菊祭五月大歌舞伎 歌舞伎座 事前取材で團十郎が、みなさんが思ってるほど仲悪くないとの言。子どもの頃いつも連れ立っていたという新之助菊之助のイメージがあり、そんなに仲が悪くなるとも思えないが、團菊で組むべき演目が昼夜にあるのは久しぶりではないか。 新之助や松也の今月向けの取材への答えに、こどもの頃から加わってきた團菊祭を大切に思う気持ちが滲み出ていたのがうれしい。 【昼】 鴛鴦襖恋睦 おしどり 曽我の世界なの……

歌舞伎音楽事始から千鳥の合方への随想

『「歌舞伎音楽事始」土田牧子 今までは自分の中で名無しだった音や役割、楽器に名前が見えていくのが味わえる本 アレのことねってなるかどうかは蓄積次第かな 後半、演目毎に詞と共に解説があり次は気をつけて観よう!にも使える 本屋でパラパラしなかったら買わなかったかも これが実物の面白いとこ』 以上、Twitterから 歌舞伎の音楽がどう始まったか?みたいな本かと思いきや、我々が歌舞伎音楽をことはじめする際の手ほどきのほうであった。昔の演劇界や劇評のたぐいを読むときに知らない言葉が出てきても、こと、音に関しては厳密……

4月にみたもの X(Twitter)から (2024.4)

4月は歌舞伎座昼夜と、シネマとうかぶを見ました。 引窓は梅玉と松緑が案外釣り合うのを発見。夏祭浪花鑑で強烈に思い出されるのは最後の最後に祭の掛け声を掠れ声で発しながら喧騒に紛れ花道を駆けていく愛之助。随一と思いながら、周りに上方の役者がもう少しいたら更に…と欲が出てしまう。 七福神は恵比寿様がハッピー。大黒様は乗り気でなさそうに見えた。 いつもの歌舞伎ならなら背景は動かないが、今回全員常に動いているので、よく言えば目が足りないという所だろうが、気が散るともいう。でも割り振ったら1人3分くらいになっちゃうし、……

雲の上にもこころあるらし(2024年3月歌舞伎座)

三月大歌舞伎 歌舞伎座 2024年3月3日-26日 昼 菅原伝授手習鑑 寺子屋 傾城道成寺 元禄忠臣蔵 御浜御殿 夜 通し狂言 伊勢音頭恋寝刃 六歌仙容彩 喜撰 観劇日3月16日 流行り病の余波で続いていた歌舞伎座の三部制が解かれてから、今月で12ヶ月めとなった。客席降りも、大勢の踊りもできなかったことを思うと、今月のような演目が並ぶのは嬉しい。 御殿の綱引きやら伊勢音頭の踊りやらに女形が沢山必要なので、いつもはとんぼを返っている方々が昼も夜も可愛らしく装っていて珍しい月になった。かと思うと昼も夜も坊主の人……

歌舞伎をつくる人の話を聴きに行きました(2024.2.10 戸部和久さん講演)

戸部和久さん(歌舞伎演出・脚本)のお話を聴きに行きました。 歌舞伎をつくる〜伝統から未来へ〜 2024/2/10 14:00- 星陵会館ホール 講師 戸部和久 ゲスト 中村鷹之資 聞き手 竹平晃子 高校生以下無料、大学生1000円、一般2500円 日比谷高校の元の運動場の敷地にある(らしい)星陵会館ホールはキャパ250名。 上手に桟敷席みたいに90度横を向いた席があるのを除くと(そこにも人がいましたが)満席になるくらいの盛況でした。 若い方が当日スタッフとして動いておられて新鮮。 お客様にも学生さんが多くい……

三箇所で音羽屋詣でなお正月(2024.1)

ここのところ毎年菊五郎劇団の勢揃いした国立劇場で正月を迎えていた。 が、2024年はなにしろ国立劇場がない。 早々に発表になったのは、歌舞伎座で松緑の荒川十太夫再演。 一方で国立劇場のさよなら公演ではロビーに控えめにお正月は新国立劇場で歌舞伎をやる旨の掲示が出ていた。 あら、菊之助と松緑が別々? やがて松也方面から今年で浅草は最後になるだろうという知らせもきた。 こちらは寧ろ今年も残れるのかいという感想。 ばらばらで寂しいなと感じていたら、松也の卒論(?)は宗五郎だって。 ということで、正月は音羽屋を感じに……