2001.6.9 歌舞伎座 昼の部 天一坊
天一坊
2001.6.9 歌舞伎座 昼の部
なんでこんなにうごかないんだぁああ。
ねるじゃないかあああああ。
…見てない人には訳の分からない感想で済みません。(と言いながらも起きていたのですが)
菊五郎劇団系の復活通し演目には「練り直して再演を!」…な、苦い思いを幾度もさせられているのですが、国立劇場なら、まあ、こういう歴史的に意味のある実験的なこともやってもよかろう。お勉強のために見ておこう。くらいの気持ちになれる。だが、歌舞伎座はいけません。心情的に。
それでも前半はゆるしましょう。あたたかな日常に舞い込んだ一筋の誘惑。菊五郎の法沢が(清心と同じで)なんで悪にころんだのかさっぱりわからなくても、(←それを淡白な味とひとは言う。)ばあさんとの交流があり、殺しがあり、欺き、工作、逃亡。後への伏線はたっぷり張られました。
しかし。團菊仁のビッグネームがそろってるのに、なにゆえ後半こんなに座ってばかりなのか。
特に切腹のところがツライです。うだうだうだうだ、いつまでなにやってるか。早く切れ。(おいおい)
ここでしばいがだらーーんとして牛歩になったところに、突然帰ってくる池田大助。
この役は儲け役です。この役が出ることで芝居が生き返るのです。
そして、私ははっきり悟りました。産毛の金太郎!。二人新兵衛に出てくる役です。(別稿に書いてます。)
うだうだうだうだ芝居がどよーんとしたそのときに、唐突に現れる産毛の金ちゃん。
あのときに私はその唐突さを辰之助のせいにしたのです。
だが違う。菊五郎が出てきても、こんな出方をしたらやっぱり唐突なのよ。芝居が廻らなくなったからといって、こういう役で無理矢理回すのはムリがあるというものよ。
短い芝居なら、最後に怒濤の展開で幕切れはありだけど、これだけ長い芝居なら芝居自らの力で回ってもらわなければ、見る側は退屈する。
というわけで決まりの台詞。
練り直しての再演希望っ。…で、できれば、もういっぺん仁左さんも連れて。(未練たらたら)
追記:ちなみに、細かいところでは私の好きな小ネタもあって、上からねずみが落ちてきたり(いまだになんで落ちてきたのか不明)、鯛が動く仕掛けがあったり。
夜の部は義経腰越状の義経に菊五郎。昼夜同じような格好だが、昼の方が若い。
(2001.7.2)
やまんばひーちゃんの秘密
だいぶむかしの演劇界別冊を購入。かつての三之助(父君たち。團十郎さんが新婚の頃)の座談会。話自体は優等生的でそれほど面白くないけども、一箇所、「わー…」と思ったのは、菊五郎の台詞。 おしろいが乗らないから焼いてください、と言われて(誰にじゃ?)肌を焼いている、と書いてある。 そ、そうだったのか。それが20年つもりつもって…。 (2001.6.9)