2002.3 新橋演舞場 「疾風のごとく」

2002.3.16 新橋演舞場 昼 「疾風のごとく」 三之助劇場、おやじと女優付き。(ちなみに女形も混じっている) 菊五郎劇団は危なげがない。時代劇もかるくまとめてしまった。 脚本は金子成人。原作換骨奪胎男。 常陸の国のある藩の政争と三人の若者の話である。 菊之助は右筆の息子、辰之助は郡奉行の息子、新之助は郡役人の息子で先の2人がぼんぼんなのに比べ、最低限の禄で生活している。新之助の役の父親が殺されるのが物語の発端。 出だしから最後まで、菊之助は上品に高品質を保っている。おもしろみはないけど実力を感じる。 ……

歌舞伎ぜんぶ入りサビ抜き~小狐礼三~ (2002.1 国立劇場)

国立劇場  観劇日:2002/1/14, 19, 20通し狂言 小春穏沖津白浪小狐礼三/菊五郎、船玉お才/時蔵、日本駄右衛門/富十郎、三浦屋深雪・月本円秋/田之助、奴弓平/正之助、月本数馬之助/信二郎、三浦屋花月/菊之助礼三子分友平/亀寿、同宿天錦 松也、花田六之進/亀鶴、捕手頭片瀬藤内/由次郎、飛脚早助・三浦屋遣手お爪/松助、三上一学/團蔵、番頭新造花川/萬次郎、荒木左門之助・猟師牙蔵/彦三郎 なんで3回も見てるんだか…だが、20日に立ち回りの手が変わっていて驚いた。あれだけ趣向に富んだタテをまだ変える。……

みその大サーカス(2001.10.20 御園座)

みその大サーカス 2001.10.20 御園座 昼夜 ロビーに、昨年の顔見世に対して、名古屋ペンクラブから菊五郎へ賞が贈られた旨、飾ってあった。 ぢいさんばあさんと文七元結。 菊五郎ってなんで名古屋よく来るのかな??全然来ない人もいるよね。 今年は、顔見世と三津五郎襲名の興行。 ひときわ大きな拍手拍手。…ただし口上に対して。 東京では、同じ拍手が、実盛の勘九郎や、越後獅子の三津五郎に来ていたと思う。 今回の名古屋は、芝居で緊迫あるいは興奮した盛り上がりのまま拍手喝采という雰囲気には一度もならなかった。観客が……

2001.9 新橋演舞場 (たぬき ほか)

2001/9/2, 9/15 新橋演舞場 昼夜 三之助・亀亀Bros. +引率に團十郎、彦三郎で花形歌舞伎。 (この座で菊五郎が出ないなんてぇえええ。) 歌舞伎を初日に見るのは初めて。そして…もういっかい鑑賞。 初日のなにがハプニングだったって、昼の部が押すわ押すわ。4時25分までたっぷりかかって終了。原因は「たぬき」。たとえ左團次さんの台詞がすんなり出てきていたとしても、やっぱり押しただろう。(^_^;;) たぶんね。 この芝居、しかたがないので削って削って削った結果、後から見た方が数倍良かった。 いちど……

2001 夏のお芝居いろいろ

2001 夏のお芝居いろいろ 歌舞伎鑑賞教室(七月) 大きな舞台の国立劇場と間近な舞台の神奈川青少年センター。 なぜか、都合三回も見てしまう。 歌舞伎鑑賞教室は亀寿で、十二支総登場。72年に一回しか(笑)出ない羊も出て、豪華豪華。かつての坂東うさぎこと橘太郎氏が玉兎を踊る内輪受けなどあり。 文七元結。 菊五郎・田之助のコンビは動きませんが、お久、藤助を松也、菊十郎に入れ替えて、すこしだけ風味をチェンジ。 長兵衛夫婦のやりとりなどを短くして、より締まった芝居に。 文七の世界が近くに感じられる神奈川の舞台がまた……

文七(1999-2001)

文七についてまとめて書いてあるものです。当時の最後の日付で公開しておきます。 ついでに、ゆっくりな宗之助のお久、でかいお久だった松也についても書いてあります。(2024.9.28 junjun) 文七 文七元結 この役、最後に元結いを売ろうと思いつくところが、すっごく唐突…。 なにがなんでも死んでやるッ 1999.5 歌舞伎座 團菊祭 かなあ。あいかわらずおぼえてねー。 五十両をなくしてうちひしがれている若者、川へ身を投げようかというところへたまたま五十両を持った男が通りかかり…というシーン。 辰之助くんが……

2001.6.9 歌舞伎座 昼の部 天一坊

天一坊 2001.6.9 歌舞伎座 昼の部 なんでこんなにうごかないんだぁああ。 ねるじゃないかあああああ。 …見てない人には訳の分からない感想で済みません。(と言いながらも起きていたのですが) 菊五郎劇団系の復活通し演目には「練り直して再演を!」…な、苦い思いを幾度もさせられているのですが、国立劇場なら、まあ、こういう歴史的に意味のある実験的なこともやってもよかろう。お勉強のために見ておこう。くらいの気持ちになれる。だが、歌舞伎座はいけません。心情的に。 それでも前半はゆるしましょう。あたたかな日常に舞い……

玉手、玉手、玉手(2001.5 歌舞伎座。(團菊祭))

玉手、玉手、玉手 團菊祭 2001.5 歌舞伎座 昼の部:源氏物語 須磨明石の巻 夜の部:摂州合邦辻、 英執着獅子、伊勢音頭恋寝刃、関三奴 玉手と万野と 5月は昼一回、夜二回の観劇。 昨年は源氏フィーバーー(語彙が古い…)のアオリを受けて、源氏物語のチケットが取れなかった。 なわけで、今回初めて、あの、源氏物語を見ることになった。 終わってみれば、昨年のあの大騒ぎはいったい何だったのか、と思う。 昨年は松竹のホームページに掲示板(BBS)までできてしまって、やれアレは歌舞伎じゃないだの、脚本が悪いだの、そん……

歌舞伎座 板東三津五郎襲名(の菊五郎) (2001.1, 2001.2)

2001.1.20 歌舞伎座 板東三津五郎襲名 夜の部 曾我の対面 八十助改め三津五郎の曾我五郎、菊五郎の十郎。 豪華スター勢揃い。(…それ以外に書きようがない) 劇評では、そろって、五郎の「正しさ」というか、基本がしっかりできていてこその、この五郎、というあたりを誉めている。 私は、その辺がわかるほどの目はない。よくわからない。 十郎は、はやる五郎をとにかく制止する役。 手をぴんと五郎の前に伸ばし、いやいや、いかぬ、待つのだ、というふりでちいさく首を振り、横目で制止する。 その目がすごく菊五郎。 口上 1……

2000.12.23 国立劇場12月歌舞伎公演 富岡恋山開(二人新兵衛)

2000.12.23 国立劇場12月歌舞伎公演 通し狂言 富岡恋山開(二人新兵衛) 玉屋新兵衛/尾上菊五郎、出村新兵衛/中村富十郎、小女郎/中村時蔵、鵜飼九十郎/中村信二郎おえん/尾上菊之助、茨の藤兵衛/市川団蔵、産毛の金太郎/尾上辰之助 、ひつじのなかみは、尾上音吉。 通しの長ーい芝居。 二人の新兵衛に菊五郎、富十郎。 菊五郎・新兵衛の主筋にして恋人役が時蔵。その兄に信二郎。 菊五郎・新兵衛のいいなずけが菊之助。 富十郎・新兵衛と菊五郎・新兵衛の恋の鞘当てが中心となるのかと思いきや、そこはわりと印象に残り……