11月に見たもの (2024.11 ようこそ歌舞伎座へ、など)

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こんなに歌舞伎役者を撮った月はこれまでにないです

令和6年度公文協主催 松竹大歌舞伎

錦之助・隼人親子での巡業
解説パートは隼人。見た日は隼人くんの恩師が最前列にいらして隼人くんがマイクを向けてました。で、フォトセッションあり。
演目は引窓と身代座禅
引窓は与兵衛を隼人、濡髪を錦之助で。母お幸は吉弥。妻お早は笑三郎。
隼人は実際に若いので無理に浮き浮きした若さを作る必要はないんじゃないかなと思いました。笑三郎との釣り合いもあるしね。
身代わり座禅は奥方が錦之助、右京が隼人、太郎冠者が青虎
さぞ二人で遊び歩いたんだろうなと思うような仲良しが感じられる主従
奥様はもうちょい表情の見える化粧でもいいんじゃないかな
千枝小枝で美吉屋が揃うのは嬉しい

十一月歌舞伎座特別公演 ようこそ歌舞伎座へ Welcome to Kabukiza

この月は舞台機構の修理ということで、顔見世の予定から変則的な編成で初心者向けの出しものに変更となりました。顔見世を休んでまで何を直してたのかは知りたいところですねえ。
昼夜同演目か1日1回公演で、解説パートと三人吉三と石橋。
まずは虎之介が登場。国立劇場のときも洋楽洋装でびっくりさせましたが、今回も最初は洋楽洋装で出てきました。(そういえば、あの時アシスタントをしていた祥馬くんは辞めてしまわれたのかな。残念)
歌舞伎座新開場のときに幸四郎が撮っていた舞台裏の映像の後、和装になった虎之介で解説のパート。外国のお客様を意識して、音蔵が逐次英語で通訳してました。うまいです。
動物が勢ぞろいしたところでフォトセッションだったので、流れてくるのが動物ばかりでそれだけなのかと思ってましたが、立ち回りも結構あって面白かった。フォト中の動物は客席に降りてくるやら、蛙とネズミは鳥獣戯画ごっこに興じるやらでカオスでした。
最後に当月出演の役者さんが1人出てきてインタビュー的なものになるのですが、私が見た時は制御が難しい種之助で、虎ちゃん大変そうでした。萬太郎だとやりやすいそうな。
種ちゃんは石橋で4人並んで区別がつかない赤頭の並びを教えたかったらしく、左(下手)から#虎種萬福だと、ハッシュタグ付けろと。
実に役に立ちましたが、でも石橋、結構個性がさまざまで、割とわかりましたよ。腰を落とした種之助、すんなり伸びる萬太郎。
この2人は出番も多いのに最後まで安定でした。福之助はスタミナが切れて軸が乱れる。そして虎之介は本当にマイペース。若者が体力で余裕なのかと思いきや、そうじゃないんだね。
上段に1人だけの白頭は松緑。最後に出てきてもういいかなって所で合図を出すので、長いも短いもこの人次第。
もう一本の三人吉三は、お嬢が左近、お坊が歌昇、和尚が坂東亀蔵。
左近、初役ですが、おとせ(みどりサン)と連れ立った花道で一瞬振り返ってあたりをうかがうときの鋭い目が印象的。またツラネも菊五郎が浮かんでくるような台詞回しで驚きました。何度も聴いたんだろうな。声も姿も似てないのに似てる。
一方でお坊の歌昇は落ちぶれていなければ家老の息子かなにかではないのかという落ち着いた台詞。
和尚は声が発せられて、あ、そうか彦三郎じゃなかったわ(笑)って思った。だって雰囲気が一緒なんだもの。
三人三様ですが、家や伝承の面白さを感じる一幕でした。
ロビーではスタンプラリーあり、駕籠や千両箱などの小道具の展示あり、獅子の顔ハメあり。たまにはこんな月があってもいいですね。

藤浪小道具 ワークショップ

そんな特別な月の歌舞伎座の一等席とセット売りで小道具作りのワークショップがあったので行ってきました。
和綴じでメモ帳を作ります。
穴あけ用のタガネを槌でガンガン叩いて冊子に綴じ穴を開けるんですが、これがまぁぁ開かない。渾身の力でやってるつもりなんだけどなあ。スタッフさんに手伝って貰っても良いと言われましたが意地で自力で開けました。ぜえぜえ。ここはちょっと文明の利器を使っても良くない?
でも次は切り餅作りたいってアンケートに書いた。
終わってから次の部までの間はお客様がいないロビーでじっくり小道具が見られました。それはとても良かった。

有頂天家族 新橋演舞場

下鴨矢三郎役=中村鷹之資/濱田龍臣ダブルキャスト。鷹之資の回を見ました。上演期間があんまり長くなくて1回しか行けんかった。
原作は読んでなくて、アニメをチラ見したくらいなので、筋を楽しんで見られました。
舞台機構を高さ方向の演出にも上手く使っていて
また、皆さんが狸や蛙になってるときは人形の二人づかいだったり、虎の変身はそうくるかなど、色々の立体的な工夫が面白い。

矢三郎は口から出てくる文字数が非常に多い役です。聞く言葉というよりも文字だ。大ちゃんがやると理知的に見える。当たり前なんだけど、素顔の表情が沢山見られるのは嬉しい。
名乗りとか偽叡山電車の車掌っぷりがよかった。ひとつ、瓶詰めのご飯の友的なものを持参してご飯にかける時、逆さにして、瓶の底をポンって叩くので、殆ど残ってない最後なのか、豪快に全部かけちゃったのかが気になったりしましたw
それにしてもタカラヅカな母上がかっこよかったー。父上の二役は落差が激しく。あと、子役さんの演じる必死な様子がいちばん胸にきました。
楽しかったな…。楽しかったことが残る舞台はよいですね。

立川立飛歌舞伎…のお練り

2024/11/17
人生初めてのお練り。(本編のチケットは迷ってるうちに完売してしもうた。)
久しぶりにカメラ持ってパレード追って楽しかった。
最初は伊勢丹にステージを設けてトークのステージがありました。
自分は知らなかったので後からのこのこ行って人ごみの隙間から覗いてました。
それからモノレールに並走するサンサンロードへ。
広い道で、車が来なくて、これはお練りに最適すぎる。
人はそんなに多くなくて出発30分前で最前列余裕でした。
愛之助、中車は終始笑顔で大振りのお手振り。慣れとる。
愛之助は通過するモノレールに少しおぉって感じの反応をしてました。
「笑也さーん」と声がかかると小首を傾げた顎ピースで応える笑也。あざとい。
壱太郎はにこやか。九團次はありがとうございますと口にしながらのお手振りでダンディ。
歌之助は顔くらいの位置で両手を小刻みに振る感じでアイドルっぽい。
亀鶴はやや省エネ。にこっとなったとこが貴重に感じました。
その後、芝生のあるグリーンスプリングスの広場に移り、神楽の後、式典。これも口上人形以外で生で見たことはない役名の発表がありました。予想しなかったー。
裃姿の松竹の方が役名と役者の名前を読み上げて、「そのため口上左様」で締める。
壱太郎の役の多さが際立ってました。解説含め13役ですって。
そして挨拶、鏡開きがあって報道向けフォトセッション。
お客は芝生に腰を下ろして見守りつつ報道のおこぼれでシャッターチャンスをいただきました。
空が青くて、真夏真冬の厳しさもないし、のどかないいひとときでした。
先日、愛之助丈のお怪我の報道がありました。ただただ回復を祈るばかりです。

ほか、小劇場1本。ヒーローが2本。

あと、神保町にて、アルプスの少女ハイジの3枚組サントラの発売イベントがありました。ハイジ初回の劇伴は映像の尺に合わせて録られていて、でも録音はされたのに使われていないものもあるそう。それを明らかにしたのはCDを編んだ腹巻猫さんの執念(でしょう?)。こういうイベントは好きです。

意思がないと残らない。未来へ繋げるのは人。

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