Yearly Archive: 2023

詰め詰め盛り盛り流白浪燦星(2023.12 新橋演舞場)

ネタバレあります ルパン以外にもネタバレあります 気になる人は引き返して   ルパー〜んさーんせい言わなきゃいけないでしょ あの音楽もこの音楽も要るでしょ タイプライターやるでしょ 五右衛門だから絶景かなやらなきゃいけないでしょ 逮捕ダァも、ふーじこちゃんも要るし コラボの飲み物も宣伝しなきゃだし せっかく白浪なんだものだんまり入れるでしょ 葛籠背負ったらおかしいかぁー 稲瀬川勢ぞろいやるでしょ 小判撒くでしょ 早替わりもあるでしょ 廓に花魁道中でしょ 本水でしょ 吊るでしょ 盛り盛りの詰め詰めだ……

マハバ追記(2,3回目)

マハーバーラタ戦記再演 2023年11月 歌舞伎座昼 2回目19日、3回目千穐楽と観てきました。 以下、割ととりとめない話を。 2回目 を観たのは先に書いたとおり、もう少し良くなるんじゃないかと思ったのと、 菊五郎をできる限り見たいのとですが、 それプラス、お正月の新国立劇場の演目の情報が入ってきて(それは細切れの古典だったわけですが)そうか、お正月にできないから、今月このまとまった演目をかけたんだなって。 だとするとこないだは顔見世のぶん。こんどはお正月のつもりで見に行かないと。 菊五郎旦那、お元気そうで……

マハーバーラタ戦記再演(2023.11 歌舞伎座) (1回目)

前回、初演は一度観ました。すごくハマったというわけではないけれど、割合満足したような気がする。 今回は再演。二日目11/3に足を運びました。 いつもはこんなに月初に観にいくことはないのですが諸事情で早めの観劇になりました。 そしたら菊五郎が出演という知らせが舞い込んできました。とてもとてもありがたい。 今月はもう一度観に行きたい (と、思ってはいます) 1回目観劇での所感を少し。 序幕の神様勢ぞろいは前よりかっこいいかもしれない。 その場が極まって次の場に向かって盆が回り始めたときの高揚といったら! そして……

文七元結物語 を見ました (2023.10 歌舞伎座)

文七元結を見ている時、廓を不機嫌な所と思って見たことがなかった。 菊五郎の文七元結は機嫌のいいお芝居なのだ。(不機嫌というか無表情な女将さんはいた。玉三郎さんのとき。) 今月の文七元結物語の始まりになる廓は若干不機嫌だ。 國矢さんの藤助が怖い。 女将さんは、いつも眉をひそめていて、したたかで、しかし長兵衛には見かねて意見するような所のある女将さん。孝太郎さんだが一瞬秀太郎さんを思い出したりもした。 この役はいい役になったように思う。 見て一晩を経て、元の文七元結の芝居は長兵衛の視点だったことに気づく。 忙し……

刀剣乱舞歌舞伎 ひとまず終演のこと

刀剣乱舞歌舞伎のはなし。 後半ネタバレしかないかもしれない 自己防衛が必要な方は閉じてくださいませ 新作歌舞伎 刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは) が幕を閉じました 最後は緞帳だったので幕をおろしました、かも 始まってから毎日感想サーチしてるけど、すんげーね。終わってもまだ配信もしてるので、途切れることがない。どんどこ湧いてくる。 こんなことふつう歌舞伎ではないし、FFXの時もこれほどはなかったよ。 自分は、現地でもだいぶ観たんですけど その後千穐楽の配信も見まして、面白かったのがカーテン……

とうかぶの座組のこと

新作歌舞伎 刀剣乱舞 月刀剣縁桐 (2023.7 新橋演舞場にて上演予定) 最初に出演者情報が流れてきたときには、花形歌舞伎的な扱いなのかと思いました。 やがてメインキャストが載った仮チラシが出たとき、おや、と思いました。 追加の出演者が発表になるたびに、これはわざわざ人選しているのだなという確信になりました。 今回のメインキャストは、初舞台から系図に載り坊ちゃんと呼ばれやがては父と同じ名跡を目指すような生い立ち「ではなかった」人が殆どです。 30年余り前に生まれ、世紀を跨いだ21世紀歌舞伎組は、梨園の外か……

だんまりと坊主の踊り(2023.5前進座&團菊祭)

だんまりと坊主の踊りを連日で見てしまいました 1日めは、国立劇場で前進座 魚屋宗五郎の奥庭弁天堂の場と、「風薫隼町賑」ー舞踊かっぽれ。 2日めは、歌舞伎座團菊祭 宮島のだんまりと、達陀。 そんなつもりは全くなかったのにこの符合。 前進座五月国立劇場公演「魚屋宗五郎」「風薫隼町賑」舞踊かっぽれ 2023年 5月9日(火)~17日(水) 国立劇場大劇場 観劇日2023.5.12 團菊祭五月大歌舞伎 2023年5月2日(火)~27日(土) 歌舞伎座 観劇日2023.5.13昼夜,15夜,20夜 演目と配役は下のほ……

結構古い歌舞伎の観劇記録がここにある理由

ちょっと前に、サーバが悪い病にかかりましてMovableType(というコンテンツ作成のしくみ)がだめになってしまいました。相当古い個人WEBサイトからコピーした歌舞伎関係の書き物を入れてあったのですがなくなってしまったので、元のWEBサイトのバックアップから、ページを掘り出してきて、そのまま復活させておいてありました。それはそれで当時の「ホームページ」という雰囲気そのままでいいんだけれども、新しく追加しようとすると、わざわざページを作成することになるのでめんどくさい。やっぱりブログとして書ける方がいいなと……

FFX歌舞伎に歌舞伎を感じてみるなど

FFX歌舞伎を見ました。 芝居の印象などはほかでも書きました。見つけてくれている人もいるかもしれません。ここではちょっと違うことを書いていきたい。…そうですね、ここに歌舞伎のこんなものを思い出した…というような話になると思います。(あ、最初に書いておくと、このエントリはすごーく長いです。休み休み読んでください。 ごたくはいいから本題へとぶ) まえがき 何年も心に残る、もう一度見たい作品はそんなにない。10年に1回くらい現れるそれの候補。実際4日行って、我が人生の新記録かタイ記録でしたのでほぼ確定かなあ。あと……

松助さんと松也くんのこと

国立劇場で、たぶん初めて歌舞伎鑑賞教室を見たときだと思うがパンフレットに松助さんへのインタビューが載っていた。そこにあった写真は、昭和30年代にテレビ放送されたドラマ赤胴鈴之助で鈴之助役を演じていた尾上緑也くん。のちの尾上松助丈である。当時は白黒で生放送だったので見ることがかなわない作品。私は、昔の時代劇に興味があり、当時の様子の証言としてこのパンフを大事にとっていた。まさか令和になってその息子(だいぶ育っている)が赤胴を付けるとは知るよしもなかった。そうか。真空斬りは家の芸になったか。先祖代々というのに憧……