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1998年の時代劇
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1998年の時代劇

1998年の時代劇を語ろうの記録

1999年1月4日から2月3日までの間特設の掲示板を設け、みなさんに自由に書き込んでいただきました。14人の方が書きに来て下さいました。ありがとうございます。

書いていただいた内容は、1998年の時代劇ベスト5と、勝手にあげる時代劇賞(時代劇自体とそれに直接関わった人・ものに対する賞)、勝手にあげる周辺賞(時代劇の周辺分野に対する賞)、および 1998年の時代劇に対するコメントです。 沢山の書き込みをありがとうございました。

1998年の時代劇を語ろうの記録

→1998年の時代劇一覧?

いろんな見方があってなかなか面白いです。けど、そこはかとなく漂う時代劇界への危機感を感じてらっしゃる方も多いようです。

1998年の時代劇ベスト5集計結果発表

上記の掲示板で皆様に付けていただいた順位を、1位5点、2位4点、3位3点、2位2点、5位1点として集計し、総合順位を出しました。 順位を出すのが目的というわけでもないのですが、なんとなく興味があるでしょー? …というほとんど好奇心な理由でやっていたりします。

さて順位は…

  • '・一位'<:新・腕におぼえあり よろずや平四郎活人剣 (40点)
  • '二位':剣客商売 (28点)
  • '三位':御家人斬九郎 (26点)
  • '四位':鬼平犯科帳 (20点)
  • '五位':物書き同心いねむり紋蔵 (18点)

以下得点順に…

銭形平次、 コメディお江戸でござる (11点)/ 金さんVS女ねずみ、 寺子屋ゆめ指南 (7点)/ 暴れん坊将軍VIII、 影武者・徳川家康、 新・御宿かわせみ (5点)/ 上杉鷹山、 大岡越前 (4点)/ 水戸黄門 (3点)/ 隠密奉行朝比奈 (2点)/ 眠狂四郎、徳川慶喜、南町奉行事件帳 怒れ!求馬、 びんぼう同心事件帳 (1点)

となりました。 いかがでしょうか。

新・腕におぼえあり、は自分で高得点を入れたものの、私だけかな、と思っていたので意外な結果に驚いています。(結構みんな見てるのね。) 剣客商売と少し点が開いていますが、新・腕におぼえありに票を入れた方のすべてが1位か2位にしているためです。(ちなみにこの作品に入れてない方は民放の作品を上位にあげている方が多いです。) 各回に別々の事件がありながら、獄中記探索という縦糸もあり、連続ものの要素を持っていることや、みればみるほど愛着のわく3人トリオ(北見の人気高し)、長男の方には妙な共感を呼ぶらしい監物さん、やっぱり素敵の呼び声高い奥田さんといったキャラクターのよさが、ヒミツでしょうか。殺陣の魅力をあげている方も複数いらっしゃいます。 あと、なんといってもNHKなので、日本全国たいていのところで見られる、ということも、ひょっとしたら票につながったかも。…あとはー、オープニングがなんとかなればーーー。

二位になった剣客商売は、票を入れた方の半分は上位に推していらっしゃいますが、 4位や5位としていらっしゃる方も多いです。うーん、しいて選ぶならこれかな、的な選択をされた方もいらっしゃるのかもしれません。 なんといっても1シリーズが10回しかなくて、はー、藤田まことですかー、と思っているうちに、あれよあれよと終わってしまった。 みなさんのコメントをまとめて読んだら、次回に期待、の多さに苦笑しました。日常の映像の綺麗さなど、それなりの品質ではあるのですが、どこか食い足りない印象があったのではないでしょうか。 三冬ちゃんの健闘は明るい材料ですね。

三位の御家人斬九郎は固定ファンがついたと思われます。斬九郎、母上、蔦吉、佐治など、キャラクターの魅力を上げる人が多い。お話も、つまんないぞーぶーぶー、ということはまずありません。ただ、視聴者が慣れると新鮮みがなくなってきますので、あと約2シリーズ、いかにパワーを持続するかが課題ですね。

四位、鬼平。票を入れている方は3位までに入れてる方が多いですね。斬九郎と似たような票のパターンです。最終回で非常に損してます。今まで見てきたからということで票は入りましたが、やはりもうやめどきなのかなというコメントが目立ちました。で、終わったと思ったら、レギュラー陣がいっぱい剣客に出てきて、ちょっと口ぽかん、になりました。

五位、いねむり紋蔵。これ、5番目になってますが、いい、と言う方は強力に推す作品。家族もので、血気にはやったり、妙にどろどろしたりすることない穏やかな作品でした。しかし、何よりも舘ひろし演ずる藤木紋蔵の魅力が大きいでしょう。 いかにも、という人がやったら、簡単に演じることができて軽い印象になったかもしれませんが、真摯で不器用な男、を真摯に不器用に演じた舘ひろし、と、彼を選んだNHK、が偉かったんでしょうねえ。そういう紋蔵さんが静かな怒りから刀を抜いてみせるときの凄みがまた良かったです。

六位以下では、そこそこ面白かったらしいのが銭形平次で、低いながらぽつぽつ票が入ってます。同点のお江戸でござるは、見てる人は見てる、の典型かも。それ以下では票が割れました。 で、六位までがすべて、NHKとフジ系で占められています。いつもやってるものに強いて点をあげようという気分にならなかったのかもしれませんが、定番もののエネルギー不足が反映したとも言えます。(または、定番しか見てない人、があんまし来なかったか。) …あと、テレビ朝日の木曜の枠(かわせみ、家康、びんぼう、血風録)がどうにもこうにも…。なんでこうなったのか…。 単発作品では、個人的には上杉鷹山がこれまたNHKな味でもう一度見たい作品です。


各作品について

南町奉行事件帳 怒れ!求馬
奉行の孫が市井に住み着き、奉行から頼まれて事件を解決するというようなおはなし。田村高廣演ずるところの奉行は落ち着いた味を出していましたけど、口うるさい求馬の母、そば屋のおかみ、実はエージェントである芸者、女目明かし、同心たち、と面白くなりそうな布陣をひいておきながら、 そのかみ合いには難があったように思えます。あまり仲良く見えません。ゲストと求馬がよくかみ合っていた話は面白かったです。必殺技(?)の将棋の駒は、なくてもよいような…。ところで、この作品は水戸黄門に先駆けてフィルムではなくビデオで作られました。フィルムの時と同じように照明を使ったのか、田村・奉行の顔が真っ白くとんでいたのが忘れられません。

水戸黄門 26部
水戸黄門初のビデオで作られた作品。画面が明るい、カツラがわかっちゃう、と軒並み不評。あと、弥七が出てない立ち回りはつまらーーん。 音楽(BGM)が新しくなっていたような。

大岡越前 15部
大岡越前初の…もういいですか。事実上の終了なのではないかと心配されていた大岡越前(と、伊織)が無事帰還。全然変わらない、と驚く向きあり、やっぱし歳は隠せないとぼやく向きあり。私としては奉行より伊織の衰えが気になります。ビデオを使った撮影ですが、だいぶましになってきたように思えます。夜シーンが多いためかもしれません。赤垣のだんなが嫁までもらってすっかり重鎮になってしまったのにはびっくりです。(実は彼がだめ同心だったのは出てきた頃だけらしいのですが、最初の印象しかないから、いきなり偉くなったように思える。)あ、あと、テーマ曲のリニューアルは機械っぽくなって不評。BGMでは聞き慣れないコミカルなものがありました。これは個人的には○。

御家人斬九郎
事実上、1997年の放映残り分が放映されただけなので、97年の時代劇のときのコメントを参考にご覧下さいませ。とってもがんばってて、1シリーズ終わると次のシリーズが待ち遠しくなる作品。相変わらずな母上と、相変わらず綺麗な蔦吉。その相変わらず、が悪しきマンネリ、にならないことを祈るばかりです。

銭形平次
このシリーズが、ファイナル。私は、いままであまり熱心に北大路・平次を見ていなかったので、このシリーズがいちばんよく見た方かもしれません。その推理劇が実に私のレベルにぴったりというか、きっとこのからくりは、こうなってるに違いない、とか一緒に考えていける。そして途中で本当の悪人らしき人がおぼろげながら見えてきて、あいつが犯人に違いない、と思ってると、やっぱり犯人で。この適度に考えさせ、適度にわかりやすいところが面白かったです。ところで、かわらけ投げて銭で割ろうと考えた人っていったい…。(本人かなあ。)

鬼平犯科帳
長い間、特に90年代初頭の時代劇の冬とも言うべき時代に、孤軍奮闘して、時代劇人口を支え続けてくれた鬼平。ついにお別れとなりました。さて、最近作では、原作を消化していった結果、テレビにしにくいものが残ってしまった、と言われ、作品の質が落ちた、との意見を目にします。新作の脚本が、池波さんのチェックを受けていないこと、を脚本のつまらなさの原因としてあげる人もいます。真相はわかりません。しかし、それよりも、どうなってるのかこれは、と思ったのは最終回。あれは納得いきません。せっかく、いつもより長く時間をとって、おかしらが死んでしまったふりまでしてるのだから、オリジナルな話で大暴れしてくれればよかったのに。総集編だったら、傑作選の枠ででもできますよ。このおかげで、ファイナルシリーズは私としては印象悪くなってしまいました。

隠密奉行朝比奈
隆慶一郎が脚本家:池田一朗として「時代劇スペシャル」枠で残した「隠密奉行」シリーズを原案とした作品。スーパー16mmというフィルム(なんだろうそれ。)でワイドテレビへの対応も考慮に入れて撮られている…そうです。ほかの局がビデオの方向へ活路を見いだそうとしているときに、こちらはフィルムで新しい道を見つめているわけですね、多分。大目付(で隠密奉行)の朝比奈さんは日本各地へ行っては、その地方の不正をただすわけですが、これをいろんなところでロケしていて、当地の名勝、物産なども出てきて、なんだなんだ、若い水戸黄門か、漫遊する暴れん坊将軍か、という第一印象でした。いつもお土産をねだる奥さんの萬田久子はちょっと浮いている。朝比奈を見張っている(?)御小人目付の真鍋くんと朝比奈とのやりとりが、コミカルで良いです。理由はよくわからないのだけど、画面がちょっと寂しい。いつも京都で撮っているものをみなれているせいかなあ。

剣客商売
始まるらしい。秋らしい。小兵衛は藤田まことらしい。「えーーっ」と、始まる前から時代小説ファンの間では大変な物議を醸していた作品。オープニングの美しい江戸の映像や、鬼平に出ていた役者さん多数の居のこりなど、鬼平の正統後継者であることを強く意識させます。非常に心配されていた三冬のキャスティング(大路恵美ちゃん)は、始まる前の拒否反応に比べると、だいぶ皆に受け入れられているみたいです。私も、毎週、三冬ちゃんがもっと出るといいのに、と思っていました。渡部篤郎は大治郎にしてはきゃしゃかなあ。でも、彼なりの味が出てます。藤田まことについては、まだ受け付けない向きもあるようです。わたしゃどっちでもいいや。(おいこら。)平さんは、やっぱり田沼役者なのですかね。ところで、「剣客」の話なのに、チャンバラにどうもスピード感がありません。話もどうも、メリハリにかけることがあります。おしん…ではなくて、おはるが太陽の下で大根を洗っているところ、とかの絵はとても綺麗なんだけど。(嵯峨野にセットを探しに行きたいなあ。)

この物件の更新履歴

  • Wikiへ移動(2004.2.1)
  • 水曜、木曜データ追加。(1999.2.11)
  • 1998年の時代劇ベスト5発表(1999.2.7)
  • フジ水曜枠へコメント。(1999.1.24)
  • TBS月曜へコメント。(1999.1.19)
  • レギュラー番組の開始終了日追加。(1999.1.16)
  • 新規