2002.3 新橋演舞場 「疾風のごとく」

最終更新日

2002.3.16 新橋演舞場 昼 「疾風のごとく」

三之助劇場、おやじと女優付き。(ちなみに女形も混じっている)
菊五郎劇団は危なげがない。時代劇もかるくまとめてしまった。
脚本は金子成人。原作換骨奪胎男。

常陸の国のある藩の政争と三人の若者の話である。
菊之助は右筆の息子、辰之助は郡奉行の息子、新之助は郡役人の息子で先の2人がぼんぼんなのに比べ、最低限の禄で生活している。新之助の役の父親が殺されるのが物語の発端。
出だしから最後まで、菊之助は上品に高品質を保っている。おもしろみはないけど実力を感じる。
辰之助は1幕目、剣も下手、台詞も説明的でがっかりさせる。それが2幕目では別人。升酒片手に敵を探る様子、新之助の姉への告白。愛嬌と実直さとほんの少しのあきらめ。この役は彼のものだ。……剣はまずいが。この役は剣がたつのに、さらに上を行く人物により筋を切られて侍を捨てるという役なのだ。説得力ゼロ。これは惜しい。
新之助は狂気なりすさんだ状態のときは本領発揮してるが、普通の時の演技にまとまりがない。ただし、ボケだけは上手い。素ですか?

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