3月は大江戸捜査網です。
この物件の改版履歴
- 若干修正。(1999.10.18)
- 情報提供掲示板から。サブタイトル、シングルB面データほか。(1999.10.15)
- 制作のヴァンフィルへの移行を記載。燃えよ夕陽のデータ欄への記載漏れを修正。その他いろいろ。(1999.8.13)
- 橋爪編第二シリーズの主題歌を修正 (1999.4.24)
- 「流れ橋」など追加。皆様からの情報を分類。(1999.4.21)
- アンタッチャブルナレーション(1998.9.21)
- 松方版でできたお約束(1998.7.28)
- 山猫お七、火車おもん、葉隠れお雪情報。(1998.7.25)
- 物書きどころから音盤情報を追加。(1998.5.26)
- 新・大江戸、の主題歌情報追加。(1998.5.14)
- こころえの「じょう」、新情報あり。主題歌情報募集。(1998.5.11)
- キャストデータ増強、メールの情報を追加(1998.5.6)
- 後から判明した情報の追加。(1998.4.26)
- データを追加 (1998.3.14)
- 物書きどころからの情報を追加。1990年シリーズのデータを増強。(1998.3.21)
- 物書きどころからの情報を増強(1998.3.28)
大江戸捜査網のあらまし
- 隠密同心それは…
「隠密同心。それは旗本寄合席内藤勘解由に命を預け、人知れず人生の裏道を歩かねばならぬ宿命を自らに求めたものたちである。
極悪非道な犯罪を憎み、過酷な法の冷たさに泣く大江戸八百八町の人々を ある時は助け、はげまし、またあるときは影のように支える男たち。
だが、身をやつし、姿を変えて敢然と悪に挑む彼らに明日という日はない。」
杉良のシリーズのオープニングナレーション。
隠密同心とはなにかというと、そういうものです。
フォロー情報→
- 隠密同心 それは時の老中松平定信の命により 無役の旗本・内藤勘解由が、悪の砦に向けて秘かに放った 過酷非情の男たちだ 変装・囮 — 様々な手段を使い、彼らは身を挺して 犯罪所及びその組織に挑戦する 相手を殺すのは自由だが、我が命を失っても顧みるものはない これは、生と死のデッドラインを突っ走るアンタッチャブル 彼らに明日はない — この後にマシンガンが続くと思います。第1シリーズ 「大江戸捜査網—アンタッチャブル—」のみのOPナレーションです。 (風車の弥七 -1998/09/20 Sun 21:41:59 )
- 「隠密同心 それは、旗本寄相席内藤勘解由に・・・」は松方編の途中まで流れてました。
ちなみにテレビ東京に変更以降は「大番頭 藤堂対馬に・・・」そして最終的には「影の支配 幻の御前に・・・」
となっています。
ただし第3シリーズの話なので、それ以降のシリーズはまだわかりません。(丑ノ介 -1999/08/12 Thu 00:45:36 )
※ちなみにこれ以外にも微妙に違うバージョンが存在します。情報も増えてきましたので、おいおいナレーション集としてまとめましょう。(いつになるやら)(junjun)
初期メンバーは、杉良太郎、瑳川哲郎、梶芽衣子。このころは、横並び行進も隠密同心心得の状もないですが、「同じく○○」はあります。町人姿の珊次郎(杉良)が屏風の陰に隠れたかと思うと、武家姿になっていて「隠密同心 十文字小弥太」。ふすまを開けて「同じく井坂十蔵」、忍者装束の小波ねえさん(梶)「同じく小波」。ばあーん。で、ちゃんばら。話によっては3人のうち誰かが出てこないこともあります。
ほかに岡田可愛の「山猫お七」がいるんだけど、これは隠密同心というわけではないよう。しかし、その男装にちかい装束や雰囲気は後のシリーズの「魚屋」のお姉さんたちに受け継がれていきます。
男2名、芸者、男装のねえさん、元締めという図式はここですでに出てきていたわけです。
- 死して屍拾うものなし
「隠密同心心得の條
我が命我がものと思わず、武門の儀あくまで陰にて、己の器量伏し、 ご下命いかにても果たすべし。
なお、死して屍拾うものなし、死して屍拾うものなし、死して屍拾うものなし」
こちらが、里見、松方のシリーズあたりから使われた有名なフレーズ。
漢字はてきとう。ほんとは、そのくどさを表すために5倍くらいの大きなポイントで書きたいところですが、えげつないのでやめておきます。
フォロー情報→
「隠密同心心得の条」のナレーションですが最初は出陣のシーンに流れてましたが松方編の途中から斬り合いのシーンで流れるようになった。 (岡本隆行 99/08/07 12:58:36 データ提供掲示板から。)
- 同じく井坂十蔵
このころになると、チャンバラに行くときに、Gメン75のごとく横並びになって歩いていき、誰だといわれたら、隠密同心なんのだれそれ、おなじくだれそれ、おなじく…、とやるわけですが人数が多いので大変。(関係ないけど、「江戸の激斗」の割ぜりふはこの様式を発展させたもののように思えます。)
で、井坂のおじさんはいつまでたっても「同じく井坂十蔵」の地位に甘んじているのだった。
後に瑳川哲郎が元締めの地位に出世するが、「井坂十蔵」ではない。
やはし、井坂のおじさんを偉くしてあげたかったな、とちょっと思う。
- 音楽
音楽は玉木宏樹さん。
3+3+2(=8)という時代劇のテーマにしてはかわったリズムを刻みながら、途中で拍子の変わったりするダイナミックで印象的なテーマ曲。
隠密同心なんのだれそれ、おなじくだれそれ、…の名乗りが終わった後すかさずこの曲にのせてのチャンバラに入るが、「モダン」という言葉のよく似合う音楽だ。
最初のシリーズでは、演奏の縦の線(要するにリズム)が、まるで甲子園の応援がこだまするようにずれていくという風情。それを、新しいフレーズにはいる度に立て直し、立て直ししながら走っていく。特にサビの最後の部分が、怒涛のような無茶苦茶な威力で、このままいくと崩壊しそうだーと思わせるが、メインテーマに戻ってほっと体勢をもどす。この間の一瞬の間(ま)がなんともいえない。
しかし、後のシリーズでは、ちゃんと縦糸の合った演奏に録音し直されているようだ。これが本来の姿なんだなあ、と思うが、やっぱり昔の変な勢いのある演奏がなつかしかったりする。 (どんどんずれていく演奏にはほかに怪傑ライオン丸がある。これはもう、凄いです。)
- 大江戸捜査網は何種類あるんかな
レギュラーでわけると大体以下のようだ。 杉良2(3)種類。里見1、松方1、並木1、橋爪2種類。
大江戸捜査網の疑問
- 「おんみつどうしんんこころえのじょう」は漢字でどう書くのか。
隠密同心心得までは書ける。しかし「じょう」ってどうかくの?
「時代劇解体新書」に「状」とあるので、そう書いてみましたが、そうなんだっけ。
その後の考察→物書きどころおよびメールの情報によると、「條」または「条」であるようです。手元の漢和辞典によればこの二つの字は条文、または条項を表す場合には同義とみなしてよいと思われます。心得のおきてを箇条書きにしたもの、といったような意味になります。
- 「死して屍拾うものなし」はいつ生まれたのか
最初のシリーズではそのようなせりふはない。ではいつなんだ、と思って時代劇メーリングリストで聞いてみたけどわからないのだった。
梶芽衣子が退いた後の杉良シリーズが非常に怪しいのだが見ていないのでわからない。
フォロー情報→メールにて情報をいただきました。杉良太郎の第三シリーズからで間違いないようです。このシリーズから制作が三船プロに変わり、その後の大江戸捜査網の原型となります。
- 「大江戸捜査網 アンタッチャブル」とはなんだったのか
大江戸捜査網は、困った作品で、最初の制作は日活が手がけさらに三船プロにわたり、新シリーズはG・カンパニーというよくわからん経歴を踏んでいる。 チャンネルnecoで杉・梶・瑳川のシリーズをやってたのでこれは日活だろう。 三船さんが亡くなったときに、里見浩太朗が、大江戸捜査網に出ていた頃に世話になった、と言っており、また松方の出ている映画も三船さんが出ているので、このあたりは三船さんが関わっていたのだろう。
で、「大江戸捜査網 アンタッチャブル」。これは、杉良太郎、梶芽衣子、瑳川哲郎トリオの作品のどこかに位置する。オープニング、エンディングとも一見かわりないのだが、アイキャッチ(CMの前後にはいる短いタイトル画)に「大江戸捜査網 アンタッチャブル」と出る。忍者が宙返りする図柄だったと思う。十文字小弥太(杉さま)たちは、風呂やを連絡用の場所として使っていて(これは「アンタッチャブル」でないやつでもときどき使っている)、そこにたしか樹木希林(当時はたぶん、ゆうきちほ。字わからん。)が出ていたように思う。なんか、影の軍団IIとおんなじ風情。
そう。この「大江戸捜査網 アンタッチャブル」が、いつ放映されて、正式名称は何で、どういう位置づけなのか、がさっぱしわからん。たぶん、杉・梶・瑳川の大江戸捜査網が一旦中断した後に何らかの変化が加わり、副題がついたのだろうが、その辺の事情はネット上でも見あたらず、手持ちの本にも載ってない。
その後の考察→アンタッチャブル、は最初のシリーズで使われていたフレーズのようである。
フォロー情報→
「大江戸捜査網」のアイキャッチですが3人の忍者が宙返りしているのは確か杉編の3作目かもしくは里見編からだったと思います。ちなみに、1作目と2作目は手裏剣が柱かなんかに刺さるやつだったと思います。 (岡本隆行 99/08/09 00:14:00 データ提供掲示板から)
忍者宙返り版を杉良で見た覚えがあるんですが、それが3作目なのかもしれませんね。…記憶当てにならず。(junjun)
※下記「皆様からの情報」の「番組の背景に関する情報」「番組の内容に関する情報」をあわせてご覧ください。
「実録テレビ時代劇史」には大江戸捜査網立ち上げの経緯が書かれていますが、
当時の日産自動車(大江戸、の単独スポンサーであった)の「社長」が時代劇好きで、「土曜の夜に時代劇がないのは寂しいから作れ」と言われて東京12chが用意したという「伝説」について触れています。この伝説は、以前にも聞いたことがあります。また、「東京12チャンネルの挑戦」でも触れられています。こちらは東京12ch内部で番組を作られていた方の著書です。ここでは「宣伝部長」が時代劇好きだったということのようです(こちらにある当時の「宣伝部長」というのは現在では相談役となられています。)
日産はその後単独スポンサーではなくなりますがのスポンサーとしての参加は橋爪版第1シリーズまで続くそうです。
これらの本を読むと、大江戸捜査網が元村武プロデューサーのライフワーク的作品であったことが分かります。日活が傾いたときに、番組が休止に追い込まれ、日産の意向で再開することになるが、制作は三船プロに。それと共に元村氏も三船プロに移籍します。そして、橋爪版の制作を手がけた謎の「G・カンパニー」(だって、謎でしょう?知らないでしょ。)は元村氏の会社だったのです。表での製作会社の変遷はあっても、ひとつの魂が貫かれていたとも言えます。
皆様からの情報
情報をいただいた皆様ありがとうございます。情報はちょっと再編集してここにのせています。(お名前はここで挙げませんが原文を物書きどころおよび過去の記録に残してございますので、ご参照ください。)フォロー情報も同様です。
キャスト、役名、その他の事情については、裏付けのとれる資料、映像をお持ちの方、ご一報ください。もちろん、私の記憶ではたしかに出ていた、といった情報でも大歓迎です。
物書きどころもしくは、メール(junjuns@geocities.co.jp)でどうぞ。
出演者に関する情報
一覧はこちら→隠密同心一覧
日活制作編(杉良1,2シリーズ)
- 岡田可愛(山猫お七)は隠密同心ではなくて、いわゆる情報屋です。ただ、 杉版第2部の途中で降版しています。オープニングタイトルからも姿を消した はずです。
三船プロ/ヴァンフィル制作編(杉3、里見、松方)
- 玉竜((稲妻お竜)土田早苗)、おりん(かたせ梨乃)は里見、松方シリーズにまたがって出ていた。
- 清次郎(松方)のときに内藤勘解由から別の「お頭」に交代が行われた。新しい支配が隠密同心に「御前ではなくお頭と呼ぶように」とか言っていた。
俳優さんは、大山克巳さんではないか。
- ほかに、隠密同心として、風/お新(志穂美悦子)、その後を受けて、はやぶさお銀(安西マリア)が出ていた。また、中島ゆたか、高瀬春菜、安田道代、美空ひばりが出ていた。高瀬春菜は土田早苗が入院したときのピンチヒッター。安田道代は死んでしまう役だった。夏樹陽子や山田××が出ていたような…
※安西マリアの役名は「時代劇解体新書」に載ってました。美空ひばりの役名は「葉隠れお雪」らしいのですが、いつ出ていたのかわかりません。
フォロー情報→
- 「松方版には、隠密同心として、夏樹陽子さん(風車のお菊)、山田由紀子さん(疾風のおせん)、南条弘二さん(九条新太郎)が出ていました。元締めは「大番頭」と名を変え、大山勝巳さん演ずる藤堂対馬になりました。全員、松方版のかなり後期になってからのメンバーです。」
- 高瀬春奈は土田早苗(稲妻お竜)の代役で、役名は「火車おもん」です。代 役だったためオープニングには登場せず、エンディングにテロップで出ただけ です。
- 美空ひばりは里見版でゲスト出演したとき「隠密同心・葉隠れお雪」で出ま した。5年前(←放映開始前というのがポイント)まで隠密同心をやっていて 、なにかの事件で復活したという1回だけの絡みです。この他にも松方版(ち ょうど高瀬春奈が出ていたとき)で、芸者?の役でゲスト出演しています。
- 岡江久美子(春香)の隠密同心としての名前は「吹雪(ふぶき)」です。
- いさり火お紺ですが初登場の回はオープニングには登場せずエンディングで山口いづみさんの名前がでるだけでした。
G・カンパニー制作編
- 「橋爪版「大江戸捜査網」には、矢車お仙という役名で荒井乃梨子さんが出演していました。彼女はレギュラーでしたが、最初は隠密同心ではなく、協力者でしたが、親代わりの男性が、「世の為、人の為に生きろ」という台詞を残して、悪人に殺され、彼の遺志を継ぐために、最終回の直前に隠密同心になりました。ですから、橋爪版「大江戸捜査網」第二シリーズの最終回には女性隠密同心が二人います。」
ゲスト
- OZ様が大江戸捜査網に宮内洋がゲストで出ていた回の情報を探しておられます。
フォロー情報→OZ様自力の捜査で判明。'83年4月9日放送の「衝撃犯罪シリーズ 尼僧乱れ肌・首なし死体の謎」。何の番組かと思ってしまうが、松方シリーズのサブタイトルは「おんな」「尼僧」「人妻」といった、明らかに違う方向の集客をねらったものが多い。
また、最終回にも出演。
音楽に関する情報
なお、音盤(レコード、テープ、CD)関連の情報もだいぶ集まりました。→大江戸捜査網関係音盤
- 「里見編の初期の主題歌について。ビデオで確認したところ、
「ながれ橋」 歌 若子内悦郎(わかこない えつろう) 作詞 葉方八郎 作曲 玉木宏樹 となってます。」
「主題歌「ながれ橋」は里見編の第一話 74. 3.23「火を招く狼の群」から、75.3.15「隠密同心・胡蝶 炎の彼方に!」 まで使われました。」
※「戻り橋だよ渡れない」という歌詞の曲名が分からない、という疑問に対していただいた回答です。(junjun)
- そのほかの主題歌
杉良太郎の「江戸の夜明け」については、コロムビアの「杉良太郎全曲集-一心太助-」(1995)に収められており、運良く見つかれば聴くことができます。(ちなみに、杉良太郎の全曲集は、ほかにテイチクやソニーからも出ていますが、こちらはもうちっと新しいというかメジャーな曲が収められています。すきま風や江戸の黒豹を聴きたい方はそちらをさがしてね。)(junjun)
以下の存在がわかっています。
- 『「江戸の夜明け」(杉良太郎編)と,松方弘樹編の「燃えよ夕陽」(確か,”たきまさと”という人の歌で「風の重さだけを 古い町に残したままで やがてたそがれ・・」という歌い出しでした),「落日」(歌:南条弘二),「漂流者たち」(歌:ノーザンライツ),「陽だまり」(歌:西尾ふじ美),「信じますか」(歌い手は忘れたが,並樹史朗編の主題歌),橋爪 淳編の「めぐり逢い」(歌:野中二郎),「恋花火」(歌:大石加奈子)ですね.』(安倉良二様からメールでいただきました。)
- ほかに、「砂の枕」(歌:里見浩太朗)、「微笑みを捨てる時」(歌:里見浩太朗)
- サントラLPをさがせ!
「ないのでは」と言われていた大江戸捜査網のサントラレコードですが、目撃証言が出てきました。
- 「「燃えよ夕陽」が発売になった時にLP「大江戸捜査網オリジナルサウンドトラック」がCBS/ソニーより発売になってました。」
- 「松方編初期に劇場版が「隠密同心 大江戸捜査網」として公開されていました。
サントラLPの発売はこの映画化のためのようです。ちなみに劇場版のエンディングは「燃えよ夕陽」の2番でした。 」
- 「当時、レコード店で現物を手にとって確認しています。黒のバックに白装束の松方初期メンバー5人が並んでいるジャケットで
曲目はA面1曲目が大江戸捜査網テーマ、B面ラストが燃えよ夕陽歌は一曲のみで他はすべてインストだったと記憶しています。レコード番号等は、当時の「レコードマンスリー」(新譜情報の小冊子)に記載されていました。その頃の2500円(2800円?)は私にとって大金でしたので、
さんざん迷って結局その時は買うのをやめてしまい、2年ほどたってからお店に注文した時には、すでに廃盤になっていました。」
フォロー情報→
腹巻猫様の調査により、詳細が判明しました。
「大江戸捜査網 オリジナル・サウンドトラック」
◎LP:CBSソニー:25AH-910
1979年11月の発売です。
レコードマンスリー誌にはこの情報があるが、年に一冊出ていたSONYのレコードのカタログでは、この番号だけが飛んでいるそうです。
1979年のカタログ発行時にはまだレコードがリリースされておらず、1980年のカタログ発行時には速攻で廃盤になっていたという可能性があります。
- 「「大江戸捜査網」のテーマ曲ですが,ヤマハのMIDIソフトでも音源が出ていましたね(XG SONGシリ ーズだったと思う)。近くのレコード店で音源を買い,自宅のPCにインストールしましたが,約3分近くに わたります。」
本に関する情報
- 「大江戸捜査網」桃園書房、若桜木虔著、1980年刊の本が存在する。
この本かどうかわからないが、テレビのノベライズらしい本を古本屋で見かけた記憶がある。
フォロー情報→「私も読んだことがあります。若桜木虔著、1980年出版で間違いないと思います。テレビのノベライズでした。大学時代に立ち読みしただけの記憶ですが、「真田忍者涙のナントカ」というタイトルと、他一編が載っていました。「真田忍者涙のナントカ」はたぶん79年か80年ごろに前後編2回に分けて放映されたものです」
※1980.1.12「女忍者涙の姉妹愛」という作品があるようです。1980年の一発目です。(junjun)
- なお、「実録テレビ時代劇史」(東京新聞出版局)「東京12チャンネルの挑戦」(三一書房)に、大江戸捜査網の制作側サイド関連の記事があります。「ノスタルジックTVグラフ3 時代劇解体新書」(メディアファクトリー)には総合的情報が、また、「みんなのテレビ時代劇」(アスペクト)には放映データがあります。(junjun)
番組の内容に関する情報
- (記憶では)「大江戸捜査網!大江戸アンタッチャブル!」といった番組宣伝があった。
※他のBBSで出た情報ですが、杉良シリーズでオープニングに「大江戸アンタッチャブル」という文字がくるくる回りながら出てくるのがあるとのこと。そういわれると、そういうのがありました。(junjun)
- 「第1回の放送では、料亭の一室で待つ御前と小波のところへ、小弥太と十蔵が黒の忍者装束に身を包み、天井から降りてきました。当時はスパイ大作戦の時代劇版を狙っていたそうです。」
- 松方版で新しくできたお約束
- 「鈴の調べは悪を斬る!」左文字右京が鈴を鳴らしながら登場。悪人の 罪状を鈴をリレー(笑)しながら(井坂→お竜→おりん→御前)挙げていく。 面倒なのか、半年でなくなったような・・・
- 「全員白の着物」松方版になったのを機に、全員の衣装が白くなった。 御前もおりんの衣装の短さもそのままに! 悪を斬りおわったらまっ赤っかに なるだろうに。おもんの登場まで続いた(半年くらい?)
- 「はちまき?」なぜか右京だけが立ち回りのときはちまきらしきもの (もっと細い)を締めていた。あまりにも意味がなかったので2回ほどで消 えた気がする。
- 「三途の川の渡し舟 隠密同心左文寺右京」て言うのがあります。これも松方編の途中からだったと思います。
- 松方編のお約束でもう1つ「たとえおてんとさまは見逃しても、この懐剣が承知できねえと」というのがありました。
- 「井坂十蔵が大刀のさやに大刀のつかを差し込んで「槍」みたいにし た立ち回りがあった記憶があるのですが(里見版かな?)」
フォロー情報→「井坂十蔵が大刀のさやに大刀のつかを差し込んで槍みたいにした立ち回り」 というのは、里見編の第一話から数回だけやっています。
- 「心得の条」について
- 里見版で巻物に「心得の条」と書いてあった記憶がある。
フォロー情報→橋爪淳版で「條」と表示されることを闇鍋奉行さんよりメールで教えていただきました。PartI,IIともこの字だそうです。
- 隠密同心の表向きについて
珊次郎はただの遊び人(だったような気が・・・)、音次郎は三味線流し、そのため初期は三味線の仕込み匕首を武器にしていた事もあった。清次郎は小料理屋の板前、井坂十蔵は岡場所の用心棒などをえて最終的には寺小屋の先生、九条新太郎は小石川養生所の医者、あと魚売り系ですが茜のみただの遊び人でした。
番組の背景に関する情報
- 「『実録テレビ時代劇史』を買いました.(略)「大江戸捜査網」はシリーズができた 経緯が詳しく書かれていました.日活では初のテレビ時代劇として企画されたことや,元 村武プロデューサーの苦労談が印象的でした.」
- 「先日,『東京12チャンネルの挑戦』(三一書房)を買って読んでいると,「大江戸捜査網」に関して ここでも興味深い記述がありました.著者は,元村プロデューサーにインタビューしているのですが, 前述の『実録テレビ時代劇史』に書かれているように,「大江戸捜査網」は時代劇のノウハウがな い日活で苦肉の策でできたアクション時代劇であり,「アンタッチャブル」という当時のアメリカテレ ビ映画にヒントを得たとのことでした.そして,第1回放送のオープニングでは,隠密同心が現代服 姿でジープに乗り込み,画面が変わったかと思うと時代劇だったという話まで書かれていました.
このシーンについては再放送ではみられなかったので,信じられないという感じがします.
また,日産の宣伝部長が時代劇ファンであったという話はここでも書かれていました.」
フォロー情報→「「大江戸捜査網」は「アンタッチャブル」の影響があると書かれていますが、 以前、弊社にいた元三船プロのスタッフの話では、 隠密同心という設定やストーリー展開、ナレーションなど基本的には、 「スパイ大作戦」がベースとなっているように聞きました。 但し、現場では理屈抜きに映像美を求めて撮影されたそうです。 (例、ラストで隠密同心が登場する時に、自動ドアのようにフスマが開いたりするシーンなど)」
- 「日産のスポンサーですが,1990年の橋爪 淳編の第一タームまで続いています(この時は複数スポンサーです).」
OP,ED,アイキャッチに関する情報
- オープニング出演レギュラー変遷
- EDタイトル史
- 第1シリーズ前半
その回からのストップモーションによる抜粋映像、画面ごとに様々な色
が滲んでいる。
- 第1シリーズ後半〜第3シリーズ十文字編
劇中からの流用映像、ただし第3シリーズのみ全く異なる映像
- 伝法寺編
江戸の町の地図の三葉葵のズームアップの後、門が開いて普段の隠密
同心たちが歩いてくる、その後普段の隠密同心の立ち回りと江戸の浮世
絵が交互に変わって行く、「砂の枕」以降飛んでくる手裏剣を刃で払う
カットあり。
- 左文字編(吹雪・流れ星おりん降板まで)
江戸の町の風景や鎧兜と普段の隠密同心たちのアクションシーンが交互に変わって行く。
- 左文字編(疾風のおせん降板まで)
普段の隠密同心たちが雨の道などいろんな所を歩く。
- 左文字編(第3シリーズ終了まで)
江戸の風景と様々な道具が交互に映り最後のカットで普段の隠密同心
たちが出てくる。
- 新大江戸捜査網
川に映った橋の上の風景。
- アイキャッチについて一旦まとめ
物書きどころからの情報の総合です。- 杉版1部前半…赤いバックで忍者(1人)がバック転
- 杉版1部後半…日本橋の浮世絵
- 杉版2部…柱に手裏剣がささる
- 杉版3部…夜の揚水桶をバックにかぎ縄が塀に掛かる、というショットがあった
- 杉版3部〜松方版…赤いバックに3人の忍者が飛ぶ
- 新大江戸捜査網…回転式に画面が現れる。タイトル画面と同じ新十郎・銀次・お紺・長庵の顔が揃ったスチール
画面全体が赤くにじんでいる。
- 橋爪版1部・2部…青いバックに2人の忍者が飛ぶ
メールでこんな情報をいただきました
データ
今気づいたけど、主役は「なんとか「じ」なんとか」が多い。
大江戸捜査網(第1シリーズ)
1970.10.3-1971.9.25 土曜21:00
東京12チャンネル
サブタイトルデータ(1,2,3シリーズ(
1976まで))
製作:日活株式会社、東京12チャンネル
製作協力:金剛プロダクション
主題歌:「江戸の夜明け」(作詞)川内康範(作曲)曽根幸明(唄)杉良太郎
音楽:玉木宏樹
キャスト:十文字小弥太/杉良太郎、井坂十蔵/瑳川哲朗、小波/梶芽衣子、内藤勘解由/中村竹弥、山猫お七/岡田可愛、ナレーター/黒沢良
特筆事項:十文字小弥太は普段は「珊次郎」(さんじろう)という通り名で遊び人として町に出ていることが多いが、定住している感じではなさそう。小波は「小波ねえさん」で、芸者。井坂十蔵は虚無僧姿で歩くことが多い。
「江戸の夜明け」のB面「きざな奴」は挿入歌であるらしい。
大江戸捜査網(第2シリーズ)
1972.3.25-1973.3.17 土曜21:00
東京12チャンネル
サブタイトルデータ(1,2,3シリーズ(
1976まで))
製作:日活株式会社、東京12チャンネル
製作協力:金剛プロダクション
主題歌:「江戸の夜明け」(作詞)川内康範(作曲)曽根幸明(唄)杉良太郎
音楽:玉木宏樹
キャスト:十文字小弥太/杉良太郎、井坂十蔵/瑳川哲朗、小波/梶芽衣子、内藤勘解由/中村竹弥、山猫お七/岡田可愛(-1972.9.16(78話))
大江戸捜査網(第3シリーズ)
1973.9.22-1984.3.31 土曜21:00
東京12チャンネル→テレビ東京(1981.10.3- 社名変更)
サブタイトルデータ(1,2,3シリーズ(
1976まで))※最終話データ付き。
製作:東京12チャンネル(-1981.9.6)-→テレビ東京(1981.10.3-(社名変更))、三船プロ→ヴァンフィル(1982.10.2?〜最終話)
製作協力:金剛プロダクション(-1974.3.16 (杉篇全編))、六本木オフィス(1974.3.23-1979.9.15(里見編全編))、松プロダクション(1979.9.22-1984.3.31(松方編全編))、三船プロダクション(1982.10.2-?(製作から製作協力へ))
主題歌:
「ながれ橋」(作詞)葉方八郎 (作曲)玉木宏樹 (歌)若子内悦郎(わかこない えつろう)(74.3.23-75.3.15まで使用)
「砂の枕」(作詞)菅野さほ子(作曲)遠藤実(編曲)斉藤恒夫(歌)里見浩太朗(1975.5発売)
「微笑みを捨てる時」(作詞)石原信一(作曲)竜崎孝路(編曲)小谷充(歌)里見浩太朗(1976発売)
「燃えよ夕陽」(作詞)柴田陽平 (作編曲)玉木宏樹 (歌)たきまさと(1979発売)
「落日」(歌)南条弘二
「漂流者たち」(作詞)大津あきら(作曲)ノーザン・ライツ(編曲)ノーザン・ライツ(歌)ノーザン・ライツ(1980.7.1発売)
「陽だまり」(作詞)山上路夫(作曲)平尾昌晃(編曲)馬飼野俊一(歌)西尾ふじ美(1983.11.21発売)
キャスト:
(1973.9-1974.3)十文字小弥太/杉良太郎、井坂十蔵/瑳川哲朗、不知火お吉/江崎英子、夕霧/古城都、内藤勘解由/中村竹弥
(1974.3-1979.9)伝法寺隼人/里見浩太郎、井坂十蔵/瑳川哲朗、いさり火お紺/山口いずみ、不知火お吉/江崎英子、内藤勘解由/中村竹弥、風/志穂美悦子、玉竜/土田早苗、はやぶさお銀/安西マリア、流れ星おりん/かたせ梨乃、くれないお蝶(胡蝶)/安田道代
特筆事項:伝法寺隼人の通り名は音次郎。
(1979.9-1984.3)左文字右京/松方弘樹、井坂十蔵/瑳川哲朗、稲妻お竜/土田早苗、流れ星おりん/かたせ梨乃、内藤勘解由/中村竹弥、おもん/高瀬春菜、中島ゆたか/矢車お菊、岡江久美子/吹雪(春香)、藤堂対馬/大山勝巳(克巳)、風車のお菊(菊丸)/夏樹陽子、疾風のおせん/山田由紀子、つばくろの茜/清原美華、九条新太郎/南条弘二
特筆事項:左文字右京の通り名は清次郎で、板前。流れ星おりんは魚屋。元締めが途中で交代した。(テレビ東京への社名変更と同時期ではないかとの情報あり。)高瀬春菜は土田早苗の代役で2ヶ月のみの登場。
制作は途中でヴァンフィルに変わっている。(「風車のお菊・疾風のおせんの初登場回からだと思います」[1866] 岡本隆行 -1999/08/09 Mon 21:31:19 )
新・大江戸捜査網
1984.4-1984.9.29 金曜21:00
テレビ東京
製作:テレビ東京、ヴァンフィル
製作協力:84プロモーション
企画:時崎克彦(テレビ東京)、元村 武
プロデューサー:石川 博(テレビ東京)、田辺隆史
音楽:玉木宏樹
キャスト:
隠密同心 新十郎(飛脚屋新十郎)/並木史朗、隠密同心 長庵(町医者榊原長安)/橋幸夫、隠密同心 銀次(お役者銀次)/三浦浩一、隠密同心 お紺(流し目のお紺)/佳那晃子、隠密支配 日向主水正/瑳川哲朗、お清/甲斐千絵美 、さすらいの松五郎/ガッツ石松、ナレーター/日下武史
主題歌:「信じますか」(作詞)松本ひでき、(作曲)松本ひでき(編曲)松井忠重(唄)松本ひでき、クラウンレコード
関連するよそのサイト:http://www.tky.3web.ne.jp/~omegaman/w-e4oedo.htm
どうやら、「映画秘宝Vol.4 男泣きTVランド」(洋泉社)に載った原稿。
特筆事項:
OPナレーション
「風が鳴る、殺気が走る、きらめく刃が闇を裂く、
大江戸八百八町が眠る頃、隠密同心 推参つかまつる。」
大江戸捜査網 (新版1)
1990.10.12-1991.3.29 25話 金曜21:00
制作:テレビ東京、G・カンパニー
制作:遠藤慎介(テレビ東京)、元村武(G・カンパニー)
プロデューサー:江津兵太、小川治(テレビ東京)真鍋和己(G・カンパニー) 脚本:小川英、中野顕彰、胡桃哲、山崎巌、大西信行、石川孝人、武末勝、太平洋、いずみ玲、ほか
監督:江崎実生、居川靖彦、長谷部安春、関本郁夫、岡泰季、白井政一、宮越澄、ほか 音楽:玉木宏樹
主題歌:「めぐりあい」(作詞)たかたかし、(作曲)小椋佳、(唄)野中二朗
キャスト:葉月裕之助/橋爪淳、秋草新十郎/京本政樹、松原蔵人/隆大介、花の小路お光(光明尼)/中村あずさ、松平定信/田村高廣、六助/小松政夫、お七/吉野真弓、白壁桂馬/竜虎、おちか/辻沢杏子(辻はしんにょうに点が2つある字)、お春/新城めぐみ、お千代/森下桂、ナレーション/黒沢良
特筆事項:葉月、秋草、松原、お光が隠密同心。お七は情報係で魚屋。
大江戸捜査網 (新版2)
1991.10.11-1992.3.27 24話 金曜21:00
制作:テレビ東京、G・カンパニー
制作:遠藤慎介、元村武
プロデューサー:江津兵太、小川治、真鍋和己
脚本:小川英、山崎巌、胡桃哲、大西信行 ほか
監督:江崎実生、長谷部安春、居川靖彦、関本郁夫 ほか
音楽:玉木宏樹
主題歌:「恋花火」(唄)大石加奈子
キャスト:天竜寺隼人(直二郎)/橋爪淳、秋草新十郎/京本政樹、小笠原甚内/和崎俊哉、流れ星お蝶/中村あずさ、矢車お仙/荒井乃梨子
特筆事項:矢車お仙は隠密同心ではなく、協力者だったが、最終回の直前に隠密同心になった。
参考文献・参考サイト
ごく最近のデータ収集については、テレビ局や制作側および、ファンによるWWW上のデータ公開による成果が大きい。
また、本作品は特に掲示板等への書き込みによるデータ提供数が多いため、適宜物書きどころ、情報提供掲示板を参照されたい。
(番号は当サイト内で使用している統一の番号です。番号が飛んだりしているのは、そのためです。)
(5)テレビドラマデータベース[WWW]
(7) ノスタルジックTVグラフ3 時代劇解体新書
(ノスタルジックTV倶楽部編、メディアファクトリー刊) [単行本(mook)]
(未採番)Dream Project 〜Samurai &?〜 大江戸捜査網(1991)のサブタイトルリストあり。←ページ消滅。
(3)季刊テレビジョンドラマ [雑誌]
平成3年3月号「特集・ザ時代劇2」 有限会社ムーンベース発行
この当時は隔月刊。
橋爪淳の第一シリーズ(1990)の10話までのリストあり。
(20)みんなのテレビ時代劇
(特集アスペクト40 アスペクト刊 1998)[単行本]
(25)実録テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル 1953-1998(能村庸一著、東京新聞出版局刊 1998)[単行本]
junjuns@geocities.co.jp
Last modified: Mon Oct 18 11:22:07 1999