2月は1999年の時代劇です

昨年の時代劇を振り返ります。

データ関係の情報は、データ提供専用掲示板、またはメールで、そのほか思い出したことは物書きどころ、またはメールでどうぞ。

この物件の更新履歴


1999年の時代劇を語ろう

2000年1月10日から2月14日までの間特設の掲示板を設け、みなさんに自由に書き込んでいただきました。ありがとうございます。
書いていただいた内容は、1999年の時代劇ベスト5と、勝手にあげる時代劇賞(時代劇自体とそれに直接関わった人・ものに対する賞)、勝手にあげる周辺賞(時代劇の周辺分野に対する賞)、および 1999年の時代劇に対するコメントです。
沢山の書き込みをありがとうございました。皆様からいただいた内容は1999年の時代劇を語ろうの記録として残させていただきます。

1999年の時代劇ベスト5集計結果発表

上記の掲示板で皆様に付けていただいた順位を、1位5点、2位4点、3位3点、2位2点、5位 1点として集計し、総合順位を出しました。
さて順位は…

一位:元禄繚乱 (43点)

二位:新・腕におぼえあり よろずや平四郎活人剣 (22点)

三位:剣客商売 (21点)

四位:髪結い伊三次 (20点)
五位:御家人斬九郎 (18点)
以下得点順に…
けろりの道頓 (12点)
痛快!三匹のご隠居、 お江戸でござる (11点)
暴れん坊将軍(9) (8点)
赤西蠣太 (6点)
加賀百万石 (5点)
南町奉行事件帳 怒れ!求馬II、隠密奉行朝比奈、赤穂浪士 (4点)
八丁堀捕物ばなし (2点)
歴史たんけん (1点)

となりました。

はっきり言って、元禄繚乱、圧勝です。この作品にはまんべんなく票が入っているとともに、「大河」とお正月の時代劇しか見ない系の人の高い点数が効いています。一方で「ワースト大河」に指名している人もいたりしますが。昨年、徳川慶喜に1点しか入らなかったことを考えると…かわいそうな慶喜。赤穂ものの底力というところでしょうか。
二位から五位までは、だんご状態です。ほとんど差がありません。
二位の新・腕は、1998年の時代劇では一位になった作品です。今回は2位3位にこれをあげた人が多くて総合二位 に滑り込んでます。年頭から春にかけての放映分なのでもうみんな忘れていると思うんですが、きっと、ああ、面 白かったな、という思い出が残ってたのでしょう。ありがとう票でこの位置。
三位の剣客商売は僅差です。1999年放映分はごくわずかですが、シリーズとしての力で票を集めたのでしょう。これに点を入れている人は高得点を入れています。いい、と信じさせる何かがある模様。
四位、髪結い伊三次は新作。地味ながら丁寧な作りで高得点。これも僅差。点のばらつきは剣客とよくにているのですが、剣客に入れた人は、髪結いの方に入れないという、はっきりした傾向があります。また、剣客に入れている人は、新・腕にも入れてません。これ、面 白いですねえ。
五位、斬九。高得点の定着票と、困ったときの斬九頼みで4位くらいに入れている人に分かれます。シリーズ開始からの年月が長くなっているのでたぶん、入れたいけど、今回は他のに点をあげようかな、で落とした人もいるはず。自由に点を入れさせたらもっと入ったかも。

六位以下では、単発が目立っています。関テレ40周年記念のけろりの道頓は大健闘。
それだけ、レギュラー番組が減ってしまったということかもしれません。お江戸でござる、はやっぱり見ている人は見てます。あとは東映の木曜枠(暴れん坊、ご隠居)がかろうじて存在をアピール。一般 には視聴率が高いとされるナショナル劇場長寿組は票に出てきていません。 朝比奈は、水曜時代劇の視聴層と微妙にずれる気がします。斬九や剣客に点入れたら、朝比奈は圏外となるかもしれませんね。

 


1999年のテレビ時代劇総論

1998年は、ビデオビデオでどうしよう、と思っていましたが、1999年になってその感は薄れました。なぜかというとだな、そのビデオの牙城であった木曜8時のテレビ朝日・東映の枠が崩れ去ってしまったためなのだよ。このおかげで、時代劇の本数がぐぐっと減りました。大丈夫なのか東映。おまけにだな、暴れん坊将軍が土曜日から木曜の7時に引っ越しだ。うへぇ。ちなみに東映の労働組合のWWWサイトの、とある文書によると、やっぱり木7への移動が視聴率にひびいているらしいとのことです。
NHK金曜時代劇は辛くも残りましたが、前年ほどの勢いはなかった気がします。
TBS月曜の大岡越前、水戸黄門はどうやら安泰の模様。大岡越前は400回を突破。水戸黄門も900回に向けて進撃しています。どっちかというと、忠相の代わりが効かない越前の方が心配。
そういう中で、フジ水曜は、フィルムで一定の品質を保った時代劇を送り出しており、やはりこの枠ならでは、というところですが、バレーボールだなんだで放映されない話があるとか、次を斬九にするか剣客にするかなかなか決まらなかったらしいだとか、すこしごたごたした話も聞き、気になります。日本の時代劇の良心ということで踏ん張って欲しいものです。
1999年になっていくつか2シリーズ目に入った作品があります。剣客商売、怒れ求馬、隠密奉行朝比奈、がそうです。剣客はどう見ても次シリーズがありそうだったので、前の水準を保っての登場になんの驚きもありませんでした。朝比奈もたぶん次があるだろうなくらいには思っていました。前回よりもむしろ面白くなったかもしれません。求馬は、よくもどってきたなあという感があります。しかし、この枠(ナショナル劇場)で2作目がつくられたということは、あと2,3シリーズは続くってことじゃないかなあ。常々、この枠の老化がとても気になっていたので、若い血が定着しそうだということは明るい材料だと思います。
また、髪結い伊三次、三匹のご隠居の新作は楽しかったです。新しい作品が拝めるというのはよいものです。
大河。大河は、さすが忠臣蔵というか、忠臣蔵じゃないというか。前年にくらべたらずいぶん話題になったのではないでしょうか。
で、これでおしまいです。これでほとんどの時代劇に触れたといえる、そのくらい時代劇は少なくなりました。

再びビデオのこと

東映京都の枠、木8の火が消えました。ビデオで時代劇をつくることは、時代劇を残すためのぎりぎりの手段であったかもしれないが、救世主ではなかった。
自分は、求馬には生き残って欲しいと思っています。生まれながらのビデオ時代劇として。そして、いつか、東映がまた時代劇の枠をつくろうと思ったときにその技術がきっと生かされますように。そう、時代劇ではありませんが、仮面ライダークウガもどんどん風当たりを受けて、磨かれて欲しい。ビデオにかけるしかないなら、ビデオで良いものをつくって欲しい。もちろん、フィルムで踏ん張っている人たちには思いっきり踏ん張って欲しいけど。


各作品へのコメント

(曜日順)

大岡越前 15部
400回おめでとうございます。ただし、今年に入ってからなにやってたか、と言うことについてはあまり覚えていなかったり。

水戸黄門 27部
相変わらず見ていなかったり。たしかちょっぴり弥七が出ていたような。

南町奉行事件帳 怒れ!求馬 II
「翔 んでる!平賀源内」のごとき、一発時代劇で終わるかと思いきや、「撮影快調」の噂通り、本当に戻ってきてしまった求馬。1作目の豆千代ねえさんが実はお姫様という設定を捨て、居候先と実家(??)とが二重でわかりにくかった部分も、実家に重点を置くようにして少しすっきりしたかもしれない。とにかくよく走っている求馬。よく飛ぶ求馬。自分的にはそれを見て楽しむ番組。
女岡っ引き役(お景)が持田真樹ちゃんに交代。求馬には豆千代がいるわけだし、以前から女二人もいてややこしいなと思っていた。今シリーズに入ってから求馬とお景ってのは、鬼平とおまさの関係に近いのかもなと思わせるエピソードもあり。ちょっとかわいそうだな。

御家人斬九郎
いつものように斬九。もうずいぶんになるので、1999年の放映分ってどれー?ってかんじになってしまってますが、大利根月夜ばなし、大塩平八郎話、佐次のいい話(わかるかそんなので(^_^;;))なんてのがこの年の分。 講談の上の人物と絡ませて風呂敷を広げた話よりも、ただただひたすら道場破りする斬九郎とかのほうが、それらしいように思うのですが。

髪結い伊三次
新作。伊三次が痛そうな番組。(おいおい)そんなに蹴らないでほしい。
題名通り、伊三次は髪結いで、 捕物のお手伝いなどしてます。まっつぐ、かつ、人情にあつい江戸っ子。
演ずる橋之助は歌舞伎歌舞伎した演技。恋人の文吉役の涼風真世はさすが宝塚。村上弘明の村上流江戸弁(他に類がないため。(^_^;;))、奥様伊藤かずえの由緒正しき標準語と、ばらばらですごかったです。(その伊三次のしゃべり方を真似する弥八のシーンがさらに笑える。 )キャラクターはよく立ってたと思いますが。
最近には珍しく、すかっと終わらないケースの目立つ時代劇で、 見た後ちょっと心に重いものが残ったりもする。映像はきれい。
あ、テーマ曲がスタンダードの「ブラジル」なのはなんでだー、とちょっと話題になっていた。

隠密奉行朝比奈
2シリーズ目。自ら全国へ脚を伸ばし、諸国の不正をもみ消…いやいや、不正を正す大目付の朝比奈と、彼が出かけたのに気づかず、あわてて追っかける御小人目付の真鍋。 前よりも朝比奈and真鍋コンビのノリがよくなったような。真鍋って、思ったよりよく役に立ってますよね。

八丁堀捕物ばなし
未放映話の放映のみ。おくらになっている話はこうやってときどきお披露目してほしいですね。

剣客商売
2シリーズ目。1999年の分は2本のみです。それなりの出来。これから大治郎と三冬の関係が発展しそうなので今シリーズが見物です。

暴れん坊将軍(第9シリーズ)
前作はちょっと異端でしたが、今作では、設定を基本的なものに戻しました。松金さんの加入で、め組側がよりファミリー的になっています。オープニング曲がサブちゃんの歌になりエンディングがなくなりました。ちょっとびっくりしますね。
前半はいかにも女がらみのサブタイトルが目立ちました。面白かったんだけども。
途中で20年の歴史を持つ土曜8時から木曜7時に変わったのは、いかにも受難でした。
上様のピンチが多かったり、いろいろ工夫していたと思うんですが、この枠変更の影響はすごく大きいと思う。
ちょっとの工夫で取り返せるようなものでしょうか。

痛快!三匹のご隠居
里見浩太朗、丹波哲郎、谷啓で、三匹のご隠居、と聞いたときにはふっとびました。
実物は題名ほどのインパクトはなかったけど、結構面白かったです。
里見浩太朗は頭が白かっただけで、いつもと同じようにかっこ良かったのだった。うーむ。
三人の老人(?)と、父親を捜す一人の娘の旅。ひとりは大名(自称)、ひとりは忍者(自称)とくれば、三匹を斬るを思わずにはいられません。が、それを思っていると、最終回で、やられたーということになります。(蛇足:あの、さいころで奉行として仕事をするかしないか決めるというシーンは、杉良金さんの1話にもあります。)
けどね、雲霧という名前、使われ過ぎですね。

コメディ お江戸でござる
春から、伊東四朗さんが降板。毎回別々の座長(?)が立つ方式になりました。
ちょっと残念です。

新・腕におぼえあり よろずや平四郎活人剣
今年の分は、早苗が記憶を失って、とか、平四郎が果たし合いで負けて、とかそういうあたりになっていて、大詰めの部分です。私は、なんか、平四郎が独り相撲をとっているように思えて仕方がないんですけど。どう見ても他人の女房横取りなのでは…。
それはともかく、三人トリオの楽しさは、十分満喫させていただきました。楽しかったです。ありがとう。
あと、飯がうまそうだったです。

しくじり鏡三郎
正義感が強すぎるために、エリートコースを外れてしまった主人公。
いまひとつピンとこない。よくわかんないんだよな。なんで最後に「しんぼうたまらん」とか言ってチャンバラしに行くんでしょう。時代劇だからですか?とってつけたような感じです。
毎回のサブタイトルは、よく知られた歌謡曲などからとられていて、最後に歌詞が朗読されます。これがまたとってつけたような感じです。歌詞折り込みはよっぽど上手にやらないと恥ずかしいと思います。他局だけど貧乏同心のラストもすんげーはずかしかったもん。
NHKには時々こんなドラマがあるな、という印象の作品。

スキッと 一心太助
いわゆる、彦左と一心太助、の話。
面白くなくはないんですけどねー。
太助がやたらわーわー騒いでて、うるさい。あと、あの悪いヤツの息子(大沢樹生)、もっとちゃんとライバルすればー。
余談ですが、一部で、あの松前屋(草刈正雄)は真田幸村ではないか説というのが持ち上がっています。

元禄繚乱
忠臣蔵という名前を使わず元禄繚乱としたところになにがしかの意味はあるように思います。
伝承によるエピソードの数々を省いておきながら、物語を持っていきたい方向へ持っていこうとする書き方で、伝統的な芝居でもない、かといって史実ばりばりでもない。それゆえに中途半端の批判を受けたようです。
何も知らなくても、このドラマをみているだけでドラマの世界が理解できるという作り方は、自分は悪いことではないと思います。次はどうなるのか、と思わせるところも、連続ドラマならでは。…ちょっと大映テレビドラマかと思ってしまう部分もありましたが。それならそれで、最後までぶっとばしてくれればよいものを、最終回が変にまとまってしまってつまんなかったな。
柳沢(慎吾じゃない方)、最後だけいいヤツにならないように。


1/2 12時間超ワイドドラマ「赤穂浪士」 (テレビ東京)

1/2 けろりの道頓 秀吉と女を争った男 (関西テレビ、フジテレビ)
関西テレビ開局40周年記念ドラマ「けろりの道頓
1999.1.2. 22:00放映
フジテレビ
原作:司馬遼太郎
脚本:ジェームス三木
プロデューサー:山崎一彦
演出:若松節朗
音楽:宇崎竜童
製作協力:共同テレビ
製作:関西テレビ <出演>
キャスト: 安井道頓/西田敏行、おりん/財前直見、安井九兵衛/筒井道隆、お藻/木村佳乃、鯛/細川ふみえ、楓/鈴木紗理奈、お安/野村佑香、平野藤次/岩崎ひろし、片桐且元/仲村トオル、石田三成/小沢和義、千利休/織本順吉、豊臣秀吉/伊東四朗、(語り) 安井道ト/上岡龍太郎
特筆事項:
【あらすじ】 時を遡ること400年、安土桃山時代の豊臣秀吉(伊東四朗)が天下を 取った頃はまだ、堀は影も形もなかった。河内の豪族、安井道頓(西田敏行) が三人の妾を連れて出掛けた青物市で秀吉と出会い、最愛のお藻(木村佳乃) を召し出すよう命ぜられたのが事の始まり。まだ生娘だったお藻への未練を 絶ちきれない道頓は秀吉が褒美に送ってきた緋鯉をお藻の身代わりとばかり 世話をする。せめて自由に泳がせてやろうと東横堀川と木津川を堀で繋ぐ 途方もない計画を思い付き、時の権勢にとらわれることなく夢に向かって 意志を貫いた。その気が遠くなるような大事業を。
〔参考資料〕  フジテレビ知っ得情報  (http://www.fujitv.co.jp/jp/goldenn/pub/98--333.html)
(以上のデータと特筆事項は真名様よりメールでいただきました。)

1/3 加賀百万石 母と子の戦国サバイバル (NHK)

1/3 赤西蠣太 (テレビ東京)

12/30 島田紳助の2000年に喝っ!スペシャル・幕末を駆け抜けた驚異のオレ流サラリーマン最後のサムライ河合継之助


(曜日順)

大岡越前 15部
-1999.3.15 26話
月曜 20:00-
TBS
加藤剛

水戸黄門 27部
1999.3.22-1999.10.18 30話
月曜 20:00-
TBS
佐野浅夫

南町奉行事件帳 怒れ!求馬 II
1999.10.25- (17話予定)
月曜 20:00-
TBS
製作:C・A・L
制作協力:東映太秦映像
脚本:
監督:
音楽:YONO
チーフプロデューサー:中居幸男
プロデューサー:樋口祐三、山田勝
プロデューサー補:藤田知久
キャスト:根岸求馬/原田龍二、姉崎真吾/田中健、豆千代/野村真美、お松/河原崎有稀、為吉/湯原昌幸、根岸栄太郎/岡野進一郎、お景/持田真樹、半田伝八/野仲功、結城一平/伊吹康太郎、加世/丸山真歩、お花/竹本聡子、秋山平五郎/伊藤博幸、おみつ/加藤綾子、根岸肥前守/田村高廣、巴絵/野川由美子、権田権之進/須藤正裕、清七/園田正美

(フジテレビ水曜20:00)

御家人斬九郎
1999.1.13-1999.3.17 10話
水曜日 20:00-
フジテレビ
渡辺謙

髪結い伊三次
1999.4.14-1999.6.23 10話
水曜日 20:00-
フジテレビ
中村橋之助

隠密奉行朝比奈

八丁堀捕物ばなし

剣客商売
1999.12.8- 11話予定

(テレビ朝日木曜19:00)

暴れん坊将軍(第9シリーズ)→暴れん坊将軍

痛快!三匹のご隠居
制作:テレビ朝日、東映
企画:川田方寿(テレビ朝日)、杉崎保(東映)
プロデューサー:陶山敬(テレビ朝日)、橋本新一、亀岡正人(東映)
音楽:小六禮次郎
キャスト:関屋勘兵衛/里見浩太朗、雲隠れの玄夢/谷啓、乾三四郎/丹波哲郎、お蝶/岩崎ひろみ

(NHK金曜20:00)→NHK水曜金曜時代劇

新・腕におぼえあり よろずや平四郎活人剣

しくじり鏡三郎

スキッと 一心太助

(NHK日曜20:00)

元禄繚乱

単発時代劇(放映日順。レギュラー時代劇のスペシャル版を含みません)

1/2 12時間超ワイドドラマ「赤穂浪士」 (テレビ東京)

1/2 けろりの道頓 秀吉と女を争った男 (関西テレビ、フジテレビ)

1/3 加賀百万石 母と子の戦国サバイバル (NHK)

1/3 赤西蠣太 (テレビ東京)


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Last modified: Fri Feb 25 00:44:21 2000