水戸黄門第7部を見る

サンプルは八兵衛そっくりパターンの「八兵衛殿様五万石-横手-」(脚本:大西信之、監督:内出好吉)。

一行のメンバー

東野・黄門様、里見・助さん、横内・格さん、八兵衛、弥七、お新の懐かしいメンバー。

主題歌

おなじみの歌は、里見・助さんが1番を、横内・格さんが2番をメインで歌う。
横内・格さんに「泣くのがいやならさあ歩け」と言われると、歩かねばならないような気になる。
画面は今と一緒。

ルート

第7部は東北ルートで、めずらしく北海道・松前まで足をのばす。(シリーズ最北端らしい。)このお話は横手でのこと。

印籠の出方

今回印籠を出すのは格さん。ピンチを切り抜けるために、出す。

パターン

八兵衛そっくり + 偽黄門様変形 + お家騒動パターン

注目のひと・場面

おはなし

そっくりさん登場

冒頭から、みんなを捜している八兵衛と、八兵衛を探している一行の面々。どうやら八兵衛ははぐれてしまったよう。(そんなわけで、八兵衛の名物解説は、なし。)
一方の八兵衛、めし屋で「こんなまずいものを出すとはけしからん!」と息巻いている。あれ、八が食べ物に文句を付けているぞ。これは、おかしい。そう、これが今回のそっくりさん。なんだかずいぶん身分が高そうな口振りだが、顔も服装も八兵衛そのもの。
で、こんな悪い町人は懲らしめなければと、とんちんかんなことを言うそっくり八兵衛。怒る店の主人と客だが、どこからか出てきた侍にやられてしまう。「もう悪いことはするなよ」とそっくりさんが出ていった後、本物の八兵衛登場。先のめし屋にはいって腹ごしらえをしようとするが、怒った店の人に追い出される。釈然としない八兵衛。(それはそうでしょう。)

いきなり懲らしめてしまう

町では狼藉者(潮路章である。恐い。)に因縁を付けられている善良な市民。止めようとする本物八兵衛だが、逆にやっつけられてしまう。
とそのとき、助け船が。
あらわれたのは、「若い野心家風悪の家来顔」の侍である。
じゃーーん、「このお方をどなたと心得る」。ひれ伏す町人。この状況に八兵衛とりあえず、いつも黄門様がやってるようにお説教。なかなか上手。
実は八兵衛はこの町の若様に間違えられたのだ。
この若様の趣味が、お忍びで町に出ては悪い町人を懲らしめ名君ごっこをやり、ついでに気に入った娘をお城にあげるというもので、それをそそのかしているのがかの「野心家風」の侍とその裏にいる悪い家老(名和宏である。非常に芝居がかっている。)なのだった。先の狼藉者は侍の頼みでわざと因縁を付けていたのである。さらに、悪い家老のところには、自分の子供を殿様の跡継ぎにしようとするお部屋さま(当然、家老とできている)までいて盛りだくさん。
このお話、「八兵衛そっくり」に「偽黄門様」パターンのエッセンスを加味した上、お家騒動まで入ったお得な逸品なのである。

入れ替わってたのが発覚。八兵衛ピンチ

一方そっくり八兵衛のほうは格さんに見つけられてしまう。「無礼者!」自分は八兵衛ではないとさんざん主張するそっくり八兵衛だが、顔も服装も同じとあっては誰もとりあわない。格さんに引っ張られて小部屋に隔離され、お新にせまろうとして弥七にはり倒されさんざんな目に遭う若様。
しかし、しわくちゃの東野黄門様はそっくり八兵衛の顔をじぃっと見て「おまえさん、八兵衛ではありませんな。」と見破る。
さて、本物八兵衛は間違えられたままお城へ。善いほうの家老にお忍びで町に出て庶民を迷惑させるのはやめるようにと目の前で腹を切るまねまでして諫められる。悪い家来の方からは若様の気に入っていた娘(しかも、嫁入り先が決まっている)をお城に連れてきたことを知らされ、八兵衛は「いいほう」と「悪いほう」を察知。「悪い家老」を懲らしめにゆくのだが、見破られてしまう。八兵衛ピンチ。だが、天井裏で弥七が見ていた。「おやぶーん」と泣き叫ぶと風車がぴゅーんと飛んできて親分こと弥七が助けにあらわれ(八兵衛満面の笑みで喜ぶ)、かっこよく立ち回り。弥七は、風車の飛んできたのとほぼ同じ方向から登場です。しかし娘をたてにとられてギブアップ。こういう場合ふつう刀を捨てるのだが、風車を捨てて尻をまくっちゃう。

黄門様の正体ちょっと発覚

黄門様、いやがる若様をつれていい方の家老の屋敷へ。
若様はともかく「あなた様は…」と家来にとどめられる黄門様だが、私のことはどうでもいい。追っ手が来るから早く手配しろとか言ってつかつか入ってゆくのだった。(←君が一番怪しい。)
善い家老の屋敷前では、助さん、格さんと悪い家老の手のものが奮戦中。
助さん格さんは、今のように素手では戦いません。ちゃんと刀で、しかも峰打ちではなく、斬ってます。
さて、家老の部屋。家老は黄門様の顔を知っており、はっと気づいてひれ伏す。若様は爺さんの正体を知ってびっくり。「ええっ、じゃあ、静まれ静まれの本家本元??」。黄門様「鵜の真似する烏はおぼれてしまいますぞ」、と若様に説教。若様恐れ入る。ここのところの音楽は、今の印籠が出るときの音楽(例の雅楽のような奴)を使用。

最強夫婦のろける

若様を城に連れていく善い家老と一行。 しかし、悪い家老は本物の若様を「偽物」と言い張って、善い家老を偽物を城に入れた謀反者に仕立てようとする。本物の若様はあそこにいる、と言われた先には背後から刀を突きつけられた八兵衛が。ここで、本物とそっくりさんご対面。これでは間違えるのも無理はない、と若様のんき。
悪い家老は、本物の若様もろとも善い家老を亡き者にしようとする。斬りかかる侍たち。「助けてあげなさい」の黄門様にうなずいて、助さん格さん二度目のちゃんばら。やっぱり斬ってます。 お新は弥七のとらわれている牢屋へ。今あけますからねと、かんざしに手をやるが、「あわてるな」と弥七。錠はすでに開いていて、立ち上がると縄もぱらっと解けた。「お絹さん(とらわれの娘さん)をおいて独りで出て行くわけにも行かず、おまえが来るのを待ってたのさ」「おまえさん」「後は頼んだぜ」「はいよ」。いいぞ最強夫婦。 で、黄門様も交えてかなり派手なちゃんばら。割と長い。悪い家老は形勢不利と見て、八兵衛を盾に取った。この者がどうなってもいいのか、と刀を突きつけながらにらみをきかす悪い家老。(いいぞ、極悪人。)はっとする黄門様とその一行。どうする?

まってました印籠

そのとき、「しずまれぃっ」と一喝、格さんが印籠を取り出した。ぱおー、とブラス系の音楽が入る。あの雅楽のような奴ではないようだ。「このお方をどなたと心得る。」に一同平伏。一応、印籠はピンチを切り抜けるための切り札として使われている模様。ポジションは3人横並びでなく、助さんは少し遠いところからみている。

めでたし

悪い家老は入牢。お部屋さまは子供もろとも自害しようとしていたのをとどめられる。 黄門様一行は、横手を後に。見送りにきたお絹ちゃんに、おいらのことなんか忘れて幸せになれ、とかっこいい八兵衛なのだった。

あとがき

お新さんは風呂には入らないのかぁ。(入らん入らん。)
junjun のホームページへ
時代劇のページへ
junjuns@geocities.co.jp
Last modified: Tue Jan 20 17:34:43 1998