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真田幸村は戦国末期の実在武将で、大阪の陣において豊臣方に付き、三途の川の渡し賃である「六文銭」の旗印を掲げ、その知謀で徳川家康を恐れさせた知将として、人口に膾炙しています。判官びいきの結果でしょうが、すでに江戸時代から、「秀頼をともなって、逃げ、生存していた」という伝説や小説が生まれたほど人気のある武将でした。
真田十勇士はその幸村の手足となって働く十人の忍者たちです。
彼らは、明治期に速記講談から発展して生まれた立川文庫(もともとは「たつかわぶんこ」らしいが、一般には「たちかわぶんこ」と読まれる。)のなかで、三勇士、七勇士を経てだんだんに形作られてきた存在で、創作上の人物です。人数や構成もときどきによって異なります。
真田幸村が主人公である以上、豊臣方が正義、敵は徳川家康で、このタヌキ親父を幸村の知謀によってうち負かすお話になるのですが、そこで忍術名人たちが活躍します。とんでもない忍術比べが繰り広げられたりします。
このような講談の「真田幸村」がテレビにも受け継がれており、「真田太平記」のように、真田家に主眼をおいて描いたテレビ作品は、ほかにあまりないと思われます。
十勇士中、最も有名な猿飛佐助は、幸村のお供をする存在。立川文庫では、大変な忍術名人に仕立て上げられ、名実ともに真田十勇士の看板的な存在。テレビに於いても彼が主人公となっている作品は多くあります。性格的にも、明るく主人公らしい主人公です。ちなみにお師匠は戸沢白雲斎。
その佐助のライバル的存在が霧隠才蔵ですが、こちらは普通、佐助にはかなわない、という位置づけになっています。その才蔵を主人公にした「風神の門」は、それまでの価値観をひっくり返す特異な設定と言えます。また、才蔵の方が佐助よりも人物像のバリエーションが多く、柴田錬三郎原作の人形劇「真田十勇士」では、白い肌の異人ですし、12時間ドラマの「真田幸村」では女です。その他の小説でも才蔵を女にしているものがあります。
「風雲!真田幸村」ではフェンシングの得意な妖術遣いですが、役者が三浦浩一で、フェンシングという洋ものを組み合わせているあたり、かつてのNHKでのイメージをにおわせます。
で、そのほかのメンバーですが、作品によって入れ替わりがあるので、あげていくと10人を越えます。
講談中で真田幸村の影武者として登場するのが、穴山小助、根津甚八、望月六郎(or 望月七郎兵衛)。このうち穴山小助は実在人。さまざまな物語でも影武者や軍師的役割を担うようです。
佐助と共に旅をする大入道の三好清海はメジャーなところ。佐助のとなりでずっこけ役を引き受けます。(この清海、普通は僧形ですが、人形劇では金髪の長髪でオネエサマの人気を取っていました。)
ほかに思いつくままに、筧十蔵、由利鎌之助、三好伊三入道(清海の弟)、海野六郎、場合によって真田幸村の息子の真田大助。
「風雲!真田幸村」では、女性の楓を加えていますが、これは、立川文庫において、佐助に懸想する奥女中から名前をとったのかもしれません。
なんと言っても、百地三太夫。作品によっては服部半蔵、渡辺半蔵といった人物が出てきます。
1999.4.29までの判明分(年代順)
猿飛佐助旅日記
1955.10.16-1956.12.23
KRT
千葉栄
忍術真田城
1957.7.3-1957.12.25
日本テレビ
佐藤清二
天下の暴れん坊 猿飛佐助
1961.1.3-1961.6.27
日本テレビ
プロデューサー:佐藤正道、松丸青史
脚本:結城三郎、松原佳成
監督:龍仲之助
音楽:深沢康推
キャスト:猿飛佐助/沢村精四郎、真田幸村/木村文武
無敵真田十勇士
1961
日本テレビ
谷本さとし
真田三銃士
1962.10.5-1963.3.29
フジテレビ
高崎圭二
風雲真田城
1964.9.6-1965.7.25
TBS
高田浩吉
真田幸村
1966.10.24-1967.10.16
TBS
中村錦之助
熱血・猿飛佐助
1972.10.9-1948.4.9 27話
TBS
原作:林芙美子「絵本猿飛佐助」
プロデューサー:斉藤頼照、渡部健作、橋本洋二
脚本:石堂淑朗、市川森一、上原正三、長坂秀佳
監督:奥中敦夫、小野登、山際永三、加島昭、山崎大助
音楽:菊池俊輔
キャスト:猿飛佐助/桜木健一、戸沢白雲斎/露口茂、とよ/丹阿弥谷津子、
さよ/上村香子、六助/川口秀樹、美代/吉沢京子、海野義隆/山形勲、
蓮海和尚/山田吾一、霧隠才蔵/篠田三郎
(真田十勇士
1975.4.7-1977.3.25
月〜金 18:30-18:45 → 18:25-18:45
NHK
人形劇
原作:柴田錬三郎
脚本:成沢昌茂
人形:辻村ジュサブロー
主題歌:(エンディング(不定期))「真田十勇士の歌」)
風神の門
1980.4.9-1980.10.1
NHK
三浦浩一
詳しくは→「NHK水曜・金曜時代劇」
猿飛佐助
1980.5.11-1980.10.15
日本テレビ
キャスト:猿飛佐助/太川陽介、真田幸村/川崎麻世
真田太平記
1985.4.3-1986.3.19
NHK
渡瀬恒彦
詳しくは→「NHK水曜・金曜時代劇」
風雲!真田幸村
1989.4.14-1989.9.29
テレビ東京
製作:テレビ東京、東映
制作:遠藤慎介(テレビ東京)、杉本直幸(東映)
プロデューサー:網野英夫(テレビ東京)、松平乘道、橋本新一、上阪久和(東映)
脚本:鈴木則文(1)
監督:大洲斉(1)
音楽:佐藤允彦
主題歌:「光る風」作詞・作曲・歌/手仕事屋きち兵衛(徳間ジャパン)
キャスト:真田幸村/北大路欣也、霧隠才蔵/三浦浩一、三好伊三入道/曽我廼家文童、本多正信/菅貫太郎、
楓/吉川十和子、三好清海入道/高品剛、由利鎌之助/笹木俊志、筧十蔵/浅利俊博、穴山小助/中村錦司、
加藤清正/若林豪、淀の方/高田美和、国友一貫斎/外山高士、板倉勝重/溝田繁、徳川秀忠/小林芳宏、
真田信之/楠年明、豊臣秀頼/新井昌和、おろく/林美里、服部半蔵/亀石征一郎、ナレーター/寺田農、
真田昌幸/日下武史、猿飛佐助/森田健作、徳川家康/若山富三郎
麻利亜/かとうかずこ、望月六郎/森永奈緒美
特筆事項:いわゆる真田十勇士もので、豊臣がいいほう、家康がタヌキ親父という図式。話の最後には大江戸捜査網式の出陣があり(大所帯だ)、幸村が「六文銭が三途の川を渡してやる」の決めゼリフを吐く。
[単発]
12時間超ワイドドラマ 家康が最も恐れた男 真田幸村
1998.1.2 12:00-23:52
テレビ東京
第1部「本能寺炎上! 信長に挑む反逆児」
第2部「秀吉死す! 恋の仇は天下人」
第3部「対決!関ヶ原 父子兄弟、敵味方」
第4部 「風雲!真田十勇士 佐助、才蔵吠える」
第5部「激闘!大坂冬の陣 幸村ついに起つ」
第6部「決戦!大坂夏の陣 狙うは家康の首」
脚本:塙 五郎
監督:降旗康男、斎藤光正、原田雄一 、上杉尚祺
主題歌:さだまさし「夢一色」
キャスト: 真田幸村 /松方弘樹、淀殿/ 秋吉久美子、お江の方/南野陽子、寒松院/草笛光子、 大蔵卿局/宮下順子、北政所/二宮さよ子、お市の方/中野良子、つぎ/水島かおり、 猿飛佐助/西村和彦、霧隠才蔵/国生さゆり、由利鎌之助/京本政樹、海野六郎/河原崎建三、 筧十蔵/尾美としのり、三好清海入道/デーブ大久保、三好伊三入道/前田淳、望月六郎/沖田浩之 穴山小助/菅原加織、根津甚八/和歌山騎一郎、真田大助/目黒正樹、千姫/遠山景織子、 豊臣秀頼/山本耕史 、 織田信長/夏八木勲、上杉景勝/石立鉄男、大野治長/田村亮、柳生宗矩/勝野洋、 服部半蔵/遠藤憲一、真田信幸/前田吟、玄斉/菅原文太、豊臣秀吉/中村嘉葎雄、島津家久/里見浩太朗、 徳川家康/津川雅彦、真田昌幸/丹波哲郎、 ナレーター/寺田農
特筆事項:松方弘樹と目黒正樹が親子役で親子共演。
参考文献・参考サイト
(番号は当サイト内で使用している統一の番号です。番号が飛んだりしているのは、そのためです。)
(1) QA 1990年7月号 [雑誌]
(4) メイキングオブ東映ヒーロー (1-3)(講談社。講談社X文庫)[文庫]
(21)東映京都テレビ映画25年(東映京都スタジオ1982)[冊子]
(25)実録テレビ時代劇史 ちゃんばらクロニクル 1953-1998(能村庸一著、東京新聞出版局刊 1998)[単行本]
(未採番)別冊太陽「子どもの昭和史 昭和20年〜35年」(平凡社1987.12.27) [雑誌別冊]
(未採番)別冊太陽「子どもの昭和史 昭和35年〜48年」(平凡社1990.2.11) [雑誌別冊]
(未採番)別冊太陽 No.47 「絵本II」(平凡社 1984.9.25) [雑誌別冊]
(未採番)立川文庫の英雄たち(足立巻一著 中公文庫 )[文庫]
Last modified: Wed Apr 29 23:27:49 1999