赤頭巾快刀乱麻にでてくるひとたち

平野作之助/野村宏伸

本編の主人公。赤いものが恐いという臆病者で通っているが、囲碁の腕は天才的で、秘密の囲碁指南役をしている。柳生宗矩とは仲が良く、作之助の営む古道具屋「名珍堂」も宗矩の世話で始めたものである。元は伯耆の国、羽衣家の家臣であったが、15歳のとき姉弟のように育ったツル姫と死別。心を患った作之助が傷心の旅の末にたどりついたのは、江戸だった。
しかし、その心の中にはもうひとつの人格が…。
どこかで血が流されるとき、人が愛を求めるとき、赤い火事装束を身にまとい現れる赤頭巾の正体が作之助であることを知るものは少ない。
◆野村宏伸のクールな面(凛凛となど)と、とぼけた面(教師びんびんなど)が同居した、ファンには二度美味しい役。

お京/和久井映見

千恵と一緒に上方からやってきた。実はある宗教の教祖の娘。作之助の家の隣で食べ物屋(押し寿司が名物)をやっている。作之助に積極的に接近するも、作之助の方はなかなか振り向いてくれない。
ツル姫のことを知り、最初は落ち込むが、やがて、作之助をツル姫の呪縛から解き放そうとがんばるようになる。本作品中ではもっともまともな部類に入る人物。
◆当時のアイドル本にこの役を称して「ふくれっ面をさせたら日本一」と書かれていた。

千恵/永島暎子

作之助の姉。武家の出であることを誇りに思っており、いつも作之助の仕官先を探して回っている。なぎなたは皆伝の腕前。作之助はこの姉に頭が上がらない。
祝言の日にだんなに逃げられた過去があることは内緒。山上一刀斉にかいがいしく奉仕するが、一刀斉の方は困惑して姿を消してしまう。
◆永島さんは「はい、ヱビス」でおかみさんをやっていたひとです。しょっちゅう「さくのすけー」と怒っているのだが、顔が笑っている。

柳生烈火/阿藤海

柳生石舟斉の長男だが、ひねた性格が災いし、弟の宗矩が当主となってしまったので、「裏柳生」なるものを作ってしまった。(実は裏柳生こそ本当の新陰流なのである。)額の傷は父につけられたもので、父が自分を憎んでいたものと信じている。自分と同じように父親と折り合わず陰の存在となっている秀忠に同情し、彼を世に出す目的にかこつけて、めちゃくちゃなことばかりやっている。子供っぽいサディストの悪ボス。

柳生宗矩/益岡徹

表柳生の当主。しかし、本当は弱くていじめられっぱなし。女の人に興味がなく、作之助とあぶない関係に見られたりする。

徳川家康/谷啓

先の征夷大将軍。今は、秀忠に将軍職をゆずって大御所と言われているが、依然として幕府の実権を握っている。が、実は影武者で、元は猿回し。しょっちゅう江戸城を抜け出して作之助のところに遊びに来るが、半分は千恵が目当てである。
赤頭巾の正体に最初に気づき、彼を江戸に引き留めたのはこの人。
◆「わしを誰だと思ってるんだ」に「谷だぁ」と呼応してしまう人は歳がばれます。

徳川秀忠/角川博

二代将軍なのだが、家康が偉すぎて自分はやることがない。影武者のくせにでしゃばる家康を快く思っているはずがなく、烈火に命をねらわせたり、正体をばらそうとしたりする。この人のこういった焦りが、ドラマの後半で悲劇を生む。

松/豊川悦司

裏柳生屈指の使い手であったが、赤頭巾に自決を止められたことをきっかけに裏切り、宗矩の配下となる。したがって、常に裏柳生に命をねらわれており、また本人も死に場所を探していた。家康、秀忠の両陣営の戦いが激化するに従って、生き甲斐を見つけたかのような戦いぶりをみせるが、自分をみのがしてくれた紅との交流も密かに続いていた。
ふだんはお京の店で板前をやっている。
◆まだ、NIGHT HEADや 12人の優しい日本人で売れてくる前の豊悦がスタジオという制約の中で水の中に入ったり天井裏のセットでとんぼを切ったりとアクティブな活躍をみせます。一方板前さんらしく、床を拭いたり、包丁をといだり物静かにもくもくと作業をしているところがまたもう一つの松らしさをだしています。
なお9話のテロップに名前がありますが名前だけで、出ていないように思えます。

紅/高橋ひとみ

烈火の側近。(相方とも言う。)男装で、いつも烈火に付き従い漫才のようなやりとりを繰り広げる。烈火に似たサディスティックな面も持っているが、松だけには甘い。松に対する思いは最初はあきらかに紅の一人相撲なのだが、どういうわけか松の方もその気になってしまって、二人は秘密を持つようになる。しかし、紅はどうしても烈火を裏切れない。
◆1話で辻斬り作戦をやるときに、松は明らかにいやそうな顔をしてますが紅は「やったー」という顔で喜んでます。

一八/梨本謙次郎

作之助の家に居候している魚屋。自分を「江戸城出入り魚屋」に推してくれた家康を敬愛しているがそれが時々現れる変なご隠居と同一人物だとは知る由もない。
絵に描いたような江戸っ子で、「煮るなり焼くなりすきにしろい」と道に座り込んで本当に斬られかかることもしばしば。又、全然望みがないにも関わらずお京ちゃんを追いかけ回している。

御手洗藤左衛門馨/岡本信人

「南町奉行配下市中取締幕府直参 御手洗藤左衛門馨である。」と名乗るのが定番。
すぐに役人風をふかし、自分の失敗は部下のせいにする、せこい役人。
家康と千恵を取り合っている。(もっとも千恵は相手にしていない。)

治助/イッセー尾形

浅野長政配下の忍者。ふだんから何もやっていないし、いざというときにもはたらかない。手下の3人と一緒に長屋の家賃が払えずに追い出され、作之助の家に押し入ったまま居候を決め込んでいる。やっぱし千恵さんが好き。

みよ/中村ひとみ、ゆう/中島唱子、きく/藤谷美紀

治助の手下。忍者装束は役に立たないほど派手。普段はお京の店を手伝っている。
きくちゃんは猿飛佐助の妹。

浅野長政/丹波哲郎

腰につけた鈴がちりんちりんと鳴るとこの人のお出まし。関ヶ原では東軍についたが、利のある方に動くタヌキ親父であり皆に警戒されている。家康の秘密を知りながら、天下の乱れぬように画策したりする陰の大物。そういう人がなぜ治助を飼っているのかは不明。

山上一刀斉/高橋幸治

作之助の剣の師。修行の末、剣の極意は決して剣を抜かぬことと悟り、作之助にもそれを教えようとする。

ツル姫/有泉美江

回想シーンに赤い頭巾で炎の中に現れる。「お美しくて気品があり優しくて公明正大で英知にあふれたお姫様で作之助にとって神様のような存在」であり「一人の人間の表と裏のように違う肉体を持ちながら心は一緒」だったツル姫は、なぜ作之助が赤頭巾になってしまうのかの謎を解く鍵である。

このページの人物紹介は、私(junjun)が平成3年に作成した個人誌内の記述を参考にしています。(なお個人誌の在庫はありません。注文しても送れませんのでご了承ください。)



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