5月は遠山のさんです。

ご存じ長屋の金さんが〜、ってわけで金さんです。これほどメジャーなのに、金さんほど人によって持っているイメージが違うキャラクターはいないんじゃないでしょうか。

…そして私は気がついた。そういえば高橋英樹の金さんって、あんまり見たことない。そう、そのころ、私は部活や受験のため平日のテレビとはやや縁遠い生活を送っていたのでした。そんなわけで、高橋英樹・金さんの姿を記憶にとどめている方、私に合いの手を。(はー、それそれ)…いや愛の手を。
情報はメール、または物書きどころへ。(いずれも、お手元に控えをご用意ください。)

この物件の改版履歴


物書きどころから情報

情報をいただいた皆様ありがとうございます。情報は再編集してここにのせています。(お名前はここで挙げませんが原文を物書きどころおよび過去の記録に残してございますので、ご参照ください。)


高橋金さん情報

愛の手がさしのべられましたので、ご紹介。

*******************(ここから)*************************

 高橋英樹版は、御指摘の通り、IとIIに分かれておりまして、時間的なギャップはないのですが、レギュラーが殆ど入れ替わっております。オープニング、エンディングの画面は当然、取り直されておりますが、主題歌(エンディング、唄:五木ひろし)や音楽は全く同じです。
 「遠山の金さんVS.女ねずみ」で消滅した、金さんの格闘用小道具ですが、高橋英樹版では、「濡手ぬぐい」です。立ち回りの最初はこれで闘い、途中で刀を奪うのがパターン。まれに、最後まで濡れ手ぬぐいで通すこともあります。
 松方版での「胡桃」に対応する飛び道具は、煙管です。被害者があわやという場面で時々ヒューンと飛んできて、悪役の手から刃物を叩き落とします。

 で、登場人物は、以下の表を。

役回り			I			II

北町筆頭与力	早田彦十郎=宮尾すすむ		同左
その妻						志乃=中島ゆたか
女密偵		お竜=伊藤美由紀			お欄=かたせ梨乃
同心		猫目伝蔵=秋野太作		青目久蔵=西川のりお
岡っ引き		捨六=小島三児			捨八=佐藤晟也
同心その2					平目銀次郎=仲本工事
たまり場の女将	おかつ=京唄子(飯屋浪速)	お弓=由紀さおり(舟宿弓)
   その旦那	利助=鳳啓介				×
虎さん		古代一平(駕籠かき)		同左(舟宿の板前)
熊さん		北野清治(駕籠かき)		同左(舟宿の板前)

*******************(ここまで)*************************
情報提供:1998.5.24 闇鍋奉行さまよりメールでいただきました。

金さんのとび道具。橋版では花札。杉良版はサイコロだったような気が(記憶があやしい)。で、高橋版が煙管、松方版で胡桃、となるわけですね。(junjun)

金さんの基本

一般的なイメージとして、金さんは長屋に住んでいて(役宅があるのに長屋にも住んでいるというのはいったい…)遊び人の金次として知られています。
居酒屋に入り浸っていて(松方金さんは風呂屋)、南町の同心に金公なんてばかにされていますが、女にはもてたりする。で、なじみのいい女が密偵として協力。悪事をあばく。
この人が実は北町奉行遠山左衛門尉景元であるのはテレビの前のよい子&よい大人は誰でも知っている話なんですが、町の悪人は知らないようです。勝手に町を歩き回るお奉行に北町の与力は頭を痛めます。(でも、勝手に抜け出す将軍よりはましなのではないか。)
で、悪人の悪巧みの現場に乗り込んでのちゃんばら(顔ばっちり見えてるのに頬かむりしてるのは無駄だ。)の最中に、脈絡なく片肌脱いで、自慢の桜吹雪の彫り物を見せびらかしていると、北町のご用提灯の群れが踏み込み、悪人は一網打尽。金さんは雲隠れ。
そして、お白州。額には「至誠一貫」の文字。あ、右から書くので「貫一誠至」。北町奉行遠山左衛門尉さまごしゅつざーー、の声に、長い袴の奉行登場。
悪事の数々、取り調べにより明白である。さよう相違ないか。と奉行。罪状認否ですが、先程の悪人が北町奉行遠山の前でしゃあしゃあとしらを切ります。そんな人はあったこともない、なにかのまちがいでしょう、証拠を見せてください。そうだそうだ、証拠をみせろ。図に乗る悪人…
だが悪人にとって「証拠を見せろ」「証人を連れてこい」は言ってはいけない魔法の呪文であった。突然様子の変わる奉行遠山。「おうおうおう、いつまでしらあ切るつもりだ」と一歩踏み出し、がばっと片肌を脱いで(ちなみに松方奉行は脱ぐ瞬間に一瞬首だけ後ろを向く。うーん変な脱ぎ方。)「この桜吹雪に見覚えがねえとは言わせねえぜ」(とかなんとか、各人アレンジ)悪人驚く「はっ、金さん」。
奉行彫物をしまって打ち首なり張付けなりを申し渡す。がっくりと肩を落とす悪人を役人が引き立てていく。
「さて」とお奉行向き直り、不幸にも事件に巻き込まれた女(別に男でもいいが)に情状酌量の余地ありとして、所払いなど申し渡し「一件落着」。 ちなみにライバルとして妖怪こと南町奉行鳥居甲斐守(耀蔵)がいます。

謎の人

金さんの印象

梅之介の金さん。これは私が見たのは再放送。年齢的にできあがってしまっている印象を受けます。にこにことしてよろしい。
市川段四郎、橋幸夫はみてません。
写真で見る限り、市川さんは育ちが良さそうで、橋さんは線が細い感じ。
杉良太郎。なんか、やたらよく裾まくって走っていました。(おばさまに、おみ脚サービス。)この人のばあい、にやけた遊び人が板に付いていて、御武家の言葉でしゃべっている方が変。御白州の決めぜりふは最初定型で長ったらしかったのが、だんだん口語調で短くなりました。
高橋英樹。こちらは杉良太郎とは逆に、町人姿でも顔が侍。こわい。御白州はさらに迫力が出てこわい。
松方弘樹。桜吹雪が黒い……い、いやなんでもありません。若いもん(ヒガシ)が威張ってるところに、腰の低い松方金さんは、とても不似合い。
松方金さんは、片肌脱ぐときに腕を振り上げると同時に、ばっと首が後ろ向きになります。で降ろすときに向き直る。独特の型です。しかもたまり場が風呂、という変わった金さんです。決めせりふは長い。再放送があったら「今日の一句」一覧を作ると面白いかも。

遠山の金さんの本編とは関係ない話


データ

1998.5.24までの判明分

テレビ朝日(NET)系作品

遠山の金さん捕物帳
1970.7.12-1973.9.30 日曜20:00
NET
原作:陣出達朗
脚本:今村文人ほか 監督:林伸憲ほか キャスト:中村梅之助、水原麻紀(麻記)、小暮実千代、里見浩太朗
特筆事項:梅之助は舞台とのスケジュールがあわないということで降板したらしいが、直後に伝七捕物帳をやっているのは謎である。

ご存知遠山の金さん
1973.10.7-1974.9.22 日曜20:00
NET
キャスト:市川段四郎、市川銀之助、田坂都、桂小金治、工藤堅太郎

ご存じ金さん捕物帳
1974.9.29-1975.3.30 日曜20:00
NET
脚本:今村文人、森田新ほか
監督:松尾正武ほか
キャスト:橋幸夫、山田太郎、山村聰、柳沢真一、大友柳太朗
特筆事項:花札を飛び道具として使うそうです。「ごぞんじ遠山の金さんだぁぁい」というような主題歌だったとか。

遠山の金さん
1975.10.2-1977.9.29 木曜20:00
NET(テレビ朝日に改称)
脚本:小川英ほか
監督:荒井岱志ほか
音楽:菊池俊輔
主題歌:「すきま風」(歌)杉良太郎
キャスト:金さん/杉良太郎、青木/伊東四朗、赤目/岸辺シロー、お竜/小鹿ミキ(-1976.?)、お京/水沢アキ(1976.?-1977.5.5)、山口いづみ(1976.5.5?-)、秀駒/二宮さよ子、三浦リカ、伊東一葉、美川陽一郎
特筆事項:「すきま風」は途中からの使用。

遠山の金さん (第2シリーズ)
1979.2.15-1979.10.18 木曜20:00
テレビ朝日
キャスト:杉良太郎、岸部シロー、岡田奈々、桂小金治

遠山の金さん
1982.4.8-1985.9.19 木曜20:00-
テレビ朝日
音楽:平尾昌晃
キャスト:金さん/高橋英樹、美雪花代、早田彦十郎/宮尾すすむ、お竜/伊東美由紀、猫目伝蔵/秋野太作、捨六/小島三児、おかつ/京唄子、利助/鳳啓介、虎さん/古代一平、熊さん/北野清治
特筆事項:毎回の予告CMは宮尾すすむが、普通の人たち(現代人。近所のおばちゃん。)にかこまれて例の調子でしゃべりまくっていた。

遠山の金さんII
1985.10.15-1986.9.16 火曜20:00-(放映時間帯要確認)
テレビ朝日
キャスト:金さん/高橋英樹、早田彦十郎/宮尾すすむ、志乃/中島ゆたか、お欄/かたせ梨乃、青目久蔵/西川のりお、捨八/佐藤晟也、平目銀次郎/仲本工事、お弓/由紀さおり、虎さん/古代一平、熊さん/北野清治
特筆事項:放映時間帯が変更されただけで、前作から間をおかない放映。レギュラー陣に入れ替え。

名奉行遠山の金さん
1988.4.21-1988.10.24 23話 木曜20:00
1989.5.25-1989.11.30 24話
1990.7.5-1990.12.27 18話
1991.11.7-1992.7.2 28話
1993.3.4-1993.12.16
1994.6.9-1995.1.19
1995.9.7-1996.3.21
テレビ朝日
制作:テレビ朝日、東映
企画:白崎英介(テレビ朝日)
プロデューサー:杉崎保(テレビ朝日)、松平乗道、亀岡正人(東映)
監督:第1シリーズ/舛田利雄、宮越澄、井上芳夫、吉川一義、田中徳三、江崎実生、上杉尚祺、大洲斉、荒井岱志
脚本:第1シリーズ/小川英、胡桃哲、志村正浩、本田英郎、和久田正明、猪又憲吾、鈴木生朗、飛鳥ひろし、藤井邦夫、高橋稔、永井かおる、國弘威雄、下飯坂菊馬、杉昌英
原作:陣出達朗
音楽:伊部晴美
主題歌:「華のうちに」作詞・作曲)吉幾三、編曲)京建輔、歌)松方弘樹
キャスト:金さん/松方弘樹、堀田摂津守/若林豪(第1シリーズ〜)、お仙/坂口良子(第1シリーズ)、お紺(おこう)/池上季実子(第2,3,5,6シリーズ?)、轟沢庵/石立鉄男(第4シリーズ〜?)、吉川瓢兵衛/ケーシー高峰(第1シリーズ〜?)、水木新吾/東山紀之(第1シリーズ〜?)、楠菊太郎/内海光司(第3シリーズ〜)、葉隠弦之介/小西浩之(第5シリーズ〜?)、間半平/柳沢慎吾(第1シリーズ〜?)、二八/志賀勝(第1シリーズ〜?)、疋六/宮路佳具、鳥居甲斐守/中村嘉葎雄(第1シリーズ〜?)、金森四郎五郎/藤岡琢也(第3シリーズ〜)、お町/松岡知重(第3シリーズ〜)、工藤夕貴(第7シリーズ)
(第7シリーズレギュラー: 松方弘樹、工藤夕貴、清水貴博、目黒正樹、見栄晴、六平直政、須賀章、島裕子、加茂あかり、佐藤良広、中村嘉葎雄、若林豪、川島なお美、ケーシー高峰)
特筆事項:東山紀之の水木新吾は第二シリーズより「隠密同心」となる。実際には東山がうれっこで毎回出演ができないため第三シリーズより内海光司の楠菊太郎がレギュラーの(普通の)新米同心役におさまった。(東山はときどきの出演。)
7シリーズのトータル回数は177回。金さんの桜吹雪は松方の歳の数だけ花びらをかいていたそうな。

【参考作品】

遠山の金さんVS.女ねずみ
1997.2.1-1997.7.5 19話 土曜 20:00-
サブタイトルリスト
テレビ朝日
制作:テレビ朝日、東映
原作:陣出達朗
プロデューサー:塙淳一(テレビ朝日)、杉崎保、松平乗道、亀岡正人、塚田英明(東映) 脚本:吉田剛、高田宏治、大野靖子、鈴木則文、篠崎 好、志村正浩、猪又憲吾、石松愛弘、塚田英明
監督:池広一夫、関本郁夫、松尾昭典、宮越 澄、齋藤光正、平田博志、日高武治
音楽:大野克夫
キャスト:遠山金四郎/松方弘樹、お小夜/古手川祐子、奈津/水野真紀、
勘平/前田吟 、脇坂玄之助/津嘉山正種、橋本鉄太郎/高木延秀
特筆事項:松方金さんの後日談的位置づけだが、別の話と思ってよいだろう。今回の金さんは、南町奉行。小料理屋のおかみ、お小夜は義賊鼠小僧の娘。お小夜は死んだ父にかけられたぬれぎぬをはらそうとしたのをきっかけに、二代目鼠小僧となる。金さんは、ねずみの正体に感づく。
しかしそんなことよりも大変なのは金さんちに嫁が来たことだと思う。
参考:(8)

金さんVS.女ねずみ
1998.3.14- 土曜 20:00-
キャスト:遠山金四郎/松方弘樹、お紺/古手川祐子、奈津/水野真紀、
勘平/前田吟 、脇坂玄之助/津嘉山正種、辰吉/高木延秀、弥寿/草笛光子
特筆事項:前作とは設定を変え、女ねずみ、お紺は今回は瓦版屋。また金さんちでは嫁姑戦争が。タイトルは「遠山の」のつかない「金さんVS.女ねずみ」と改まったようです。 ねずみ、奉行とも互いの正体を知っている(知った)設定。勘平は奉行を知っているが、ねずみの正体は知らない様子。

そのほかの金さんもの

金四郎江戸桜
1957.10.20-1958.5.4
日本テレビ
板東好太郎

遠山の金さん捕物帳
1960.10.4-1960.12.27
フジテレビ
夏目俊二

遠山の金さん
1967.6.8-1967.10.5
日本テレビ
市川新之助(現、市川団十郎)

江戸を斬るII
1975.11.10-1976.5.17 28話
TBS 月曜 20:00
西郷輝彦

江戸を斬るIII
1977.1.17-1977.7.11 26話
TBS 月曜 20:00
西郷輝彦

江戸を斬るIV
1979.2.12-1979.8.6 26話
TBS 月曜 20:00
遠山金四郎/西郷輝彦

江戸を斬るV
1980.2.18-1980.8.11 26話
TBS 月曜 20:00
西郷輝彦

江戸を斬るVI
1981.2.16-1981.8.24 28話
TBS 月曜 20:00
西郷輝彦

江戸を斬る
1987.1.26-1987.8.17 30話
TBS 月曜 20:00
主題歌:「ねがい」唄)里見浩太郎
キャスト:遠山金四郎/里見浩太朗、秋月兵馬/森田健作、速水新太郎/太川陽介、 雨森忠助/松山英太郎、お鈴/大沢逸美、鶴吉/高橋元太郎、亀三/谷幹一、 吉五郎/藤岡琢也、お京/有森也美、お仙/鮎川いずみ、片桐弥平次/若林豪、 徳川斉昭/森重久彌
特筆事項:第7シリーズに当たるが、前作とのつながりはない。
主題歌は、それまでのシリーズの曲を里見が新しく歌った。

江戸を斬る
1994.1.31-1994.7.25 26話
TBS 月曜 20:00
キャスト:遠山金四郎/里見浩太朗


参考文献・参考サイト
(番号は当サイト内で使用している統一の番号です。番号が飛んだりしているのは、そのためです。)
(1) QA 1997年7月号 [雑誌]
(3)季刊テレビジョンドラマ [雑誌]
(5)テレビドラマデータベース[WWW]
(7) ノスタルジックTVグラフ3 時代劇解体新書
(ノスタルジックTV倶楽部編、メディアファクトリー刊) [単行本(mook)]
(8)東映テレビ制作部[WWW]
(17)蔵出し 絶品TV時代劇
(近藤ゆたか編、フィルムアート社刊 1997)[単行本]
(20)みんなのテレビ時代劇(1998 アスペクト刊)[単行本]
(未採番)朝日新聞縮刷版


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junjuns@geocities.co.jp

Last modified: Tue Jan 12 22:03:07 1998