個人コンテンツがホームを失ってゆくこと

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はてなブログが正式サービスになるとのこと。
ブログ以前に、ユーザが持っていたのはいわゆる「ホームページ」だった。
ホームページは、本来はWEBサイトの顔になる、最初にそこに訪れ、都度そこに戻るというポジションだが、日本語のホームの語感からだろう、俗にひと固まりのWEBサイト全体を指す言葉になって広まっている。
フレームのない時代、ハイパーリンクをどんどんたどっていくと、サイトの中で自分の居場所が分からなくなる。
ホームは玄関であるとともに、迷路から出るための非常口でもあった。
HTMLでできることが増えるにつれ、2列、3列のレイアウトでコンテンツの外側にメニューによるナビゲーションをもつ形式が主流となる。
ブログはこのレイアウトを採用して、1画面にポータル(≒ホーム)もコンテンツも詰め込もうとする形で発展した。
自分のWEBサイトを持たずに、ブログなどのサービスにだけ契約しているユーザの場合、ブログのトップはユーザーの持つすべてのコンテンツの玄関も兼ねる。
はてなダイアリーも、こういうことが可能なブログだった。
しかし、新しい「はてなブログ」は「ここに集約しよう」という思想は同じようだが、どっちかというとタイムライン的な、ライフログ的な意味合いを感じる。
(ツイッターやFaceBookといった対外のSNSに対して開いているくせに、はてな内のサービスに対しては妙に閉じているのも、疑問なところだが、そこは、ベータだったからか?)
ツイッターやFaceBookは、コンテンツが入り乱れる世界であって、それをどういう囲いの中で見るかはあまり重要でない。
はてなブログはそっちに親和性がある。

しかし、ダイアリーが俺の城、だった人にとっては「はてなブログ」化は、ある種囲いを失うことになる。(ダイアリーはなくなるわけじゃないそうだが、でもいずれは…アレだろ?)

これからどこを玄関にすればいいか。
はてなダイアリーを徐々にはてなブログに吸収していこうとするなら、ブログとは別に、ばりばりカスタマイズできる対外的な個人の玄関。そういうビューが作れるサービスを用意するのはいかが?
玄関や構えが欲しい人、まだ、いると思うよ。

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